熱狂の観客1459人 金沢ポートホームマッチ運営の秘密
11月16日、金沢市で行われた金沢ポート-琉球アスティーダ戦で、入場者数が1,459人を記録した。
金沢ポートの主催試合としては、参入一年目の昨季開幕戦1,197人を超え、最多人数を塗り替えた形だ。
石川県初だった“張本智和効果”もあるのだが、翌17日の岡山リベッツ戦も949人が来場している。
まだ創設2年目である金沢ポートのホームマッチ運営に、どんな秘密があるのか。
「秘密があるのか」と問いつつ、チーム運営の当事者でもある私自身が答える形で恐縮なのだが、Tリーグへの興味喚起にも繋げたく、今回の3連戦運営の裏側をレポートする。
写真:金沢ポートのホームアリーナ席/撮影:ラリーズ編集部
反響の大きかった金沢市公式LINE
今回で言えば、金沢市との共同施策が大きな効果を示した。
今季初の金沢市内開催ということもあり、友だち数22万人の金沢市の公式LINEで「金沢市民限定・ホームマッチ2階自由席ご招待」を各日200名様限定で告知したところ、3連戦で計1,000人を超える申込みがあった。地元の関心が高まりつつあるのを実感する数字だ。
また、今季初めて会場の近隣住民世帯へのポスティングも行ったところ、高い歩留まりを示した。金沢のサッカークラブ・ツエーゲン金沢など多くの先行チームが実施しており、集客にはアナログな方法も効果的であることを再確認した。
私たち金沢ポートが、Tリーグが実施する“全国総勢◯◯◯人ご招待”という施策には参加しない理由もここにある。地元ならではの事情を知り、的確なパートナーと組まなければ、招待施策は功を奏さない。
写真:張本智和(琉球アスティーダ)のプレーに観客熱狂/撮影:ラリーズ編集部
もちろん、一度招待で観に来てもらって次回有料で来てくれるかは、会場での満足度という別の勝負だ。
卓球初観戦の方が予想以上に多い見込みであることがわかった設営数日前、選手入場直前の3分間を急遽こじ開け、“どうやったら勝負が決まるの?”“マッチとゲームの違いは?”“応援のときに気をつけることは?”など、初めての観戦の方に浮かびそうな疑問を、MCとチーム応援団長が漫才のように掛け合いで説明する時間を作った。
出店ブースやメニュー、景品、オープニングパフォーマンスなどは3日間、わずかでも毎日変えた。
今日初めて無料で来た人が、明日有料で来てくれたときに新鮮であれば、次節はもう予定に入れてくれるかもしれないからだ。
写真:丹羽孝希(岡山リベッツ)のプロフェッショナルさを堪能/撮影:ラリーズ編集部
地元高校生のための“金沢ポートカップ”
もうひとつ、別の集客施策を紹介する。
3連戦2日目の試合開始が夜だったことから、日中の会場で、地元の公立高校卓球部員たちが参加する“金沢ポートカップ”を開催した。
決勝戦をTリーグ本番台で行うことで、地元の高校生にとってはまたとない機会を、チームにとってはその高校生や保護者の方たちが残って夜の試合を応援してくれるという狙いが、うまくハマった。
写真:Tリーグ本番台の前で記念撮影する地元公立高校生/撮影:ラリーズ編集部
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