菅沼菜々は無念の終戦に涙 3季守ったシード喪失が確定「最後まであきらめなかった」
<大王製紙エリエールレディス 2日目◇15日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6575ヤード・パー71>
苦しかった1年を象徴する終戦だった。メルセデス・ランキング(以下MR)78位の菅沼菜々は4バーディ・4ボギーの「71」と伸ばせず、トータル4オーバーの88位タイで予選落ち。統合シーズンだった2020-21年にMR45位で初めて獲得したシードを失うことが決まった。
「良くなってきた部分はあったけど、結果を残せなかった。ずっとつらくて、やめたくなりそうなときもあったけど、最後までやれてよかったです」
昨季は8月の「NEC軽井沢72」でツアー初優勝を果たし、10月の「マスターズGCレディース」で2勝目を挙げた。MRは自己最高の11位に躍進するなど、充実のシーズンを送ったが、わずか1年で暗転。オフに右ひざを痛めるなど故障にも苦しみ、トップ10入りは9位だった国内メジャー初戦の「ワールドレディスサロンパスカップ」の一度だけだった。
「ひざを痛めてスイングも変わって、よかったときの動きができなくなった。スイングにまとまりがなく、大きなミスが出るようになってしまいました」
スタッツを比較しても、違いは歴然だ。『70.8263』 (14位)だった平均ストロークは、前週までで『72.4528』 (71位)にまで落ちた。昨季『66.9742』で8位だったリカバリー率は『64.1509』(30位)、パーオン率は『69.5847』(30位)から『63.6986』(76位)に下がった。「でも、一度も棄権はしなかったし、最後まであきらめなかった。心は強くなったかなと思います」。
4試合連続予選落ちで始まったプロ7年目のシーズンは4試合連続予選落ちで終わった。復権を目指し、26日からは静岡・葛城ゴルフ倶楽部で開催される来季の出場優先順位を決める最終QT(予選会)に出場する。「頑張るしかないです」。心は何度もくじけたが、折れてはいない。目に浮かんでいた涙も乾き、最後はしっかり前を見据えていた。(文・臼杵孝志)
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