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ルーキー一番星なるか? 菅楓華が自己ベスト『64』で初の首位スタート

ルーキー菅楓華が初の首位発進。同期一番乗りのツアー初優勝にたどり着けるか?(撮影:米山聡明)

<住友生命Vitalityレディス 東海クラシック 初日◇13日◇新南愛知カントリークラブ美浜コース(愛知県)◇6560ヤード・パー72>

昨年のプロテストに一発合格した19歳の菅楓華が「64」で回り、3月のツアーデビューから15試合目で初の首位に立った。「(パーだった)最後の9番もチャンスだったので入れたかったけど…」と少しだけ口をとがらせたが、自己ベストを2打も更新する8バーディ・ボギーなしの完璧ラウンド。「100点満点です。ノーボギーもうれしい。しっかりピンに突っ込めたので、バーディチャンスにつく回数が多く、それをしっかり決められた」と屈託のない笑みを浮かべる。

得意のショットが冴え渡った。インから出て、10番の¨おはようバーディ¨は10メートルをねじ込んだもの。その後は12番で3打目をピンそば2メートルにつけるなど、次々とショットをピンに絡めてバーディを量産した。17番は残り75ヤードの2打目をピンそば70センチにピタリ。スタートホールを除く7個のバーディでもっとも長かったパットは、カラーから打った4番パー3の5メートルとショットの安定度は際立っていた。

所属先のニトリが主催する8月の「ニトリレディス」から意識改革に取り組んだ。2試合連続で予選落ちを喫し、気合を入れて臨んだ初のホステス大会。「ここを入れないと流れが変わってしまう、と考えるようになってから、パットを決められるようになった」とスコアの¨分水嶺¨を見極めることを意識づけた。さらに、「前までは1メートルぐらいしかチャンスと思っていなかったけど、それを5メートルぐらいまでに変えたら良くなった」と貪欲にバーディを求めるようになった。

この日の最大のピンチはティショットをラフに曲げたパー4の7番だった。2打目はバンカーに入れたが、2メートルをしっかり沈めてパーセーブ。流れを断ち切ることなく、直後の8番のバーディにつなげた。前週の国内メジャー「ソニー 日本女子プロ選手権」は予選落ちしたが、短縮競技となった2週前の「ゴルフ5レディス」は36ホールをボギーなしで完走。7位だったデビュー戦「Vポイント✕ ENEOSゴルフ」以来のトップ10入りとなる8位は意識改革の成果だった。

そのゴルフ5レディスの初日には、同じ高卒ルーキーの村田歩香が首位発進した。ルーキーの首位はそのとき以来2人目となる。ここまでメルセデス・ランキングは70位。「まずシードを取ることが目標。その中でもいい位置にいたら初優勝を狙いたいです」。2年連続女王の山下美夢有、海外メジャー覇者の古江彩佳ら実力者を押しのけての単独首位発進は、ルーキー一番乗りとなる初Vの好機到来。「それはまだないです」と笑って否定したが、チャンスは十分にある。

小学1年の6歳のときに宮崎市内の自宅近くの公園で遊んでいたら、「まったく知らない4、5歳上のお姉さんに¨ゴルフやらない?¨と声を掛けられて、その人の家について行った」のがゴルフとの出合いという仰天のエピソードを持つ。「その方が今、どこで何をしているのかまったく知らないけど、プロになれたのは、そのお姉さんのおかげ。感謝しています」。

2日目は山下との初の同組ラウンドが実現した。女王の胸を借りる18ホールになる。「ピン位置が難しくなると思うけど、2ケタアンダーに乗せたい」。第一人者を相手に首位をキープすることができれば、初Vは手を伸ばせば届くところにやって来る。(文・臼杵孝志)

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