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「すごい濃い1年だった」19歳・櫻井心那が振り返る飛躍の2023年 一番悔しかったことは…

シーズン4勝と大ブレークを果たした櫻井心那が、今年もっとも悔しかったことは?(撮影:福田文平)

<JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 最終日◇26日◇宮崎カントリークラブ(宮崎県)◇6497ヤード・パー72>

宮里藍、畑岡奈紗に続き、ツアー史上3人目となる“10代4勝”を飾って最終戦出場を叶えた櫻井心那。勢いよく乗りこんできた19歳は、トータルイーブンの16位タイで2023年シーズンを終えた。

注目を集めた1年だった。一昨年はQTに失敗して、昨季は下部のステップ・アップ・ツアーが主戦場。そこで史上最多の5勝を挙げ、今季はいよいよレギュラーツアーの転戦が始まった。序盤はカットラインやリランキングばかりが気になり、“らしい”アグレッシブなプレーができなかったが、吹っ切ると「資生堂レディス」でツアー初優勝。3試合後の「楽天スーパーレディース」で2勝目を挙げると、初めての海外メジャー「AIG女子オープン」(全英)にも挑戦した。

その全英では初日に7位タイで飛び出すなどの存在感も発揮。最終的には50位と苦い結果に終わったが、予選を通過して堂々と4日間を戦い抜いた。さらに2勝を挙げて、注目度が一気に増したシーズン。全英同週以外、今季は全試合に出場。最後まで華麗に駆け抜けた。

「いろんなことがありすぎて、すごい濃い1年だった。良いことも悪いことも、悔しい思いもうれしい思いもたくさんした。去年よりむちゃくちゃ成長しました」と飛躍を実感。『一番うれしかったこと』を聞かれると、思い出がありすぎるのか「う~ん」と悩む一方で、『一番悔しかったこと』は即答した。

「伝説のリゾトラ。めちゃくちゃ泣きました。4日間やったんだけど、悔しすぎて、これからどうしたらいいんだろうと悔しかったのは覚えている」

5月の「リゾートトラストレディス」で、初日はボギーフリーの「69」で滑り出したが、2日目は1イーグル・4ボギーの「74」、3日目「72」、最終日はバーディを奪えずに「77」。トータル4オーバーの64位タイに終わった。1年を振り返ったとき、うれしかったことよりも悔しかったことが先に頭に思い浮かんでいるところにこそ、櫻井の強さがある気がする。

年間4勝を挙げメルセデス・ランキングは5位で終えたプロ2年目のシーズン。好成績を収めても、手放しでは喜んでいない。「結果だけ見ると出来すぎだし、うまいと見ていただいた。でも自分が納得できるようなプレーや技術には到底なっていない。ショートゲームのほかに、ショットの安定感や疲れたときにどうスコアをまとめるかを頑張っていきたい」と、昨年とはまた一味違ったオフへと向かっていく。

海外メジャーはもちろん、来年は米最終予選会(Qスクール)の挑戦も視野に入れている。「今年は受けないことにしたけれど、行きたい気持ちはある。来年受けられるように、自分の状態次第ですけど、そこに目標を置いて、来年は頑張りたい」と見据え、米ツアーに胸を膨らませていく。

2003年度生まれのダイヤモンド世代のひとり。来年2月13日にようやく20歳の誕生日を迎える。ハタチになってやりたいことは「ゴルフがうまくなりたいだけです」。ゴルフに忙しく、動き回るオフになりそうだ。(文・笠井あかり)

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