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「今年イチ」元気なクセ強グリーンを攻略できるのは? 今年の“顔”となった3人に期待【大西翔太のSHOWTIME】

大西氏が最終戦のV候補に挙げた3人。左から岩井明愛、原英莉花、岩井千怜(撮影:福田文平)

長かった2023年シーズンもいよいよ最終戦。南国・宮崎を舞台に、今季優勝者やメルセデス・ランキング上位者ら選ばれし40人のみが出場するエリートフィールドが開幕した。その展望を青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める大西翔太氏が占う。

■今週は“芝”に要注意

宮崎カントリークラブの最大の特徴で、選手を苦しめるのがグリーンのコーライ芝。開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」、川奈の「フジサンケイレディス」、そしてここと、年に3回のみの“クセ強”芝がポイントになる。「逆目と順目で転がりが全く違います。芝が元気で強く、今年イチといっていいほど生き生きしていますね」。

開幕前日も、多くの選手が練習グリーン上でかなりの時間を過ごしていた。逆目と順目のラインを繰り返しながら感触を確かめるという光景もよくみられるものだ。コースセッティングを担当した中野晶氏によると、そのグリーンの難しさは例年よりも増しそう。「夏のコーライのように強い」(中野氏)というグリーンの攻略が、そのままスコアに表れていきそうだ。

さらにグリーン周り、絞られたフェアウェイを挟むラフにも要警戒。ある程度の風も吹いてしまうと、フェアウェイキープは難しいが、「ラフに入れるとパーセーブが難しくもなる」。フェアウェイセンターに置いて、グリーンセンターにつけて、バーディパットを打つ、という3拍子がこの宮崎カントリークラブでは至難の業。いかにスコアを落とさないかがカギになる。

■今季ツアーを引っ張った3人に期待

コースが難しい分、「出場回数が多く、コースを知っていた方がアドバンテージになるかもしれません」とベテランの活躍を期待する一方で、上位をけん引しそうな選手としてまず挙げたのは2020年大会覇者の原英莉花。今年は「日本女子オープン」優勝者としてメジャー連勝に臨む。

「練習場で見ていても調子が上がっているように感じます。先週からさらに上向きになっていて、メジャーを制してここに来られたという流れも良い」と大西氏は上位争いに太鼓判。メジャーにめっぽう強い25歳は、通算5勝のうちメジャーが3勝。ツアー一時離脱から復帰してさらにパワーアップした姿に注目している。

そして岩井明愛と千怜のツインズにも期待を寄せる。「今年の女子ゴルフ界のトレンドのふたり。力もあります。ツアーを引っ張ったツインズが、最後、集大成をみせてくれるのではないでしょうか」。今季は明愛が3勝に、千怜が2勝。双子で最終日最終組、プレーオフをするなどファンを沸かせてきたふたりが、最後の締めくくりに新たな歴史を刻むか?

もちろん明愛と、山下美夢有、申ジエ(韓国)による女王争いも忘れてはならない。全員が優勝ならば文句なしの戴冠となる。「山下プロ、申ジエプロとの年間女王争いにも注目です。ふたりは歴代覇者ですし、調子もよさそう。誰が勝ってもおかしくないでしょう」。三つ巴の白熱したバトルにも期待を膨らませた。

解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。

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