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大会自身初60台は「記念」 単独首位発進の森田遥が最終戦で“したくないこと”

森田遥が今大会自身初の60台をマーク。メジャー初優勝へ最高の滑り出しとなった(撮影:福田文平)

<JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 初日◇23日◇宮崎カントリークラブ(宮崎県)◇6497ヤード・パー72>

打ち上げで2打目地点からグリーン面が見えず、加えてアゲンストの風が吹いていた。ピンは手前10ヤード。残り185ヤードの右サイドのラフから7番ウッドを持った森田遥の球は、ピン横1メートルについた。「いけ~、とりあえず前にいけ~っていう感じ。あんなに近いと思わなかった」。ギャラリーの声援を浴びながらグリーンに上がると、決め切ってバーディ。この日最も難易度が高かった18番を華麗に締めくくった。

3年連続6回目の“エリートフィールド”。メルセデス・ランキング上位者の資格ではなく、「スタンレーレディスホンダ」覇者として戻ってこれた。「ここ5年くらいはランキングを気にしながらだった。勝って得た権利は6年ぶり。ここにいるだけで幸せです」。プレー中は真剣にコースに向き合うが、ホールアウトしてふと周りを見れば、いつもとは違う最終戦独特の雰囲気が漂っている。

ボギーが先に来ても9番からは3連続、そして上がりの連続バーディで一気に浮上した。7バーディ・2ボギーの「67」は、今大会自身初の60台。単独首位でスタートを切った。「70点くらい」と評価は控えめだが、「(60台は)記念ということで」と笑顔を見せた。

コーライ芝のグリーン、そしてピンポジションに選手らは苦戦を強いられたが、そこは賢く向き合った。特有の芝目の影響や傾斜の強さ…。考えることは多かったが、「シンプルに、スマートに」をテーマに掲げ、それはグリーン上の好パフォーマンスにつながった。

6年ぶりの勝利をつかんだうれしいシーズン。その一方で、夏場は苦しい時間を過ごした。体調不良により欠場が続き、復帰しても予選落ちが続いた。「体調管理をしていたつもりだったけれど…。試合に出られなかったのでチャンスも減ったし、(やり直せるなら)もう1回そこはやりたい」と悔やむこともあるが、目の前の一打に全力で取り組んできたことは「やりきった感じがあるので、そこに後悔はない」。そんなシーズンもあと1試合で終了。後ろ髪を引かれる終わり方だけは避けたい。

「まだ3日間あるので、全然まだわからない。1ホールも悔いが残らないようなゴルフをしたい」。ラスト54ホールも精一杯駆け抜けていく。(文・笠井あかり)

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