2023-2024CLの展望「連覇狙う王者マンチェスター・シティ」デ・ブライネ復帰への期待と過密日程問題
写真:グアルディオラ監督(AP/アフロ)
マンチェスター・シティは、ほんの15年ほど前までプレミアリーグの中位をさまよう中堅クラブであり、決して「強豪クラブ」ではなかった。
きっかけはUAEの投資グループ「ADUG」が2008年からオーナー権を獲得したこと。
そして名将グアルディオラの監督就任(2016-2017シーズン)だ。
2010年代からは7度もプレミアリーグを制しており、FA杯も3度制している。
そして昨季(2022-2023シーズン)にはシティにとって悲願であるCL制覇も成し遂げた。
プレミアリーグとFA杯優勝を含めたトレブル(三冠)達成となり、欧州サッカー史の中でも屈指の強さを誇るクラブとしてその名を刻むことに成功したのだ。
そんなマンチェスター・シティは、今季もグアルディオラ監督と共にCL制覇を狙っている。
グループステージ第3節を終え3戦全勝で勝ち点9を獲得しており、決勝トーナメント進出はほぼ確定したといっても過言ではないだろう。(3位ヤングボーイズ、4位レッドスターベオグラードが共に勝ち点1であるため)
シティにとっての本番は2024年2月以降に行われるラウンド16からとなる。
果たしてCL連覇を可能にする戦力がシティにあるのか、その可能性を考えてみよう。
強豪でありながらも長らくCL制覇ができなかったシティ
2010年代から着実にプレミアリーグの強豪クラブへと成長していったシティだったが、CLだけはどうしても優勝することができなかった。
CLに参戦できるようになった最初の2シーズン(2011-2012シーズンと2012-2013シーズン)ではグループステージ敗退。
2013-2014~2019-2020シーズンまではベスト16が3回、ベスト8が3回、ベスト4が1回と毎年グループステージは突破するものの、ファイナルまでは辿り着けずにいた。
2020-2021シーズンは初めてCLのファイナルに辿り着いたものの、決勝で同じプレミアリーグのチェルシーに0-1で敗れ悲願の初優勝を逃す。
翌年(2021-2022シーズン)もベスト4まで進出したが、レアル・マドリードに屈し決勝進出はならなかった。
「グアルディオラが監督をしてもCL制覇は無理なのか」
この時期は落胆を隠せないサポーターも多かったはずだ。
アーリング・ハーランドの獲得で新たな戦術を確立、悲願のCL制覇を実現
メガクラブに成長を遂げながらも長らくCL制覇が実現できていなかったマンチェスター・シティに、大きな変化が訪れる。
ドルトムントで頭角を現した規格外の身体能力と得点スキルを持つアーリング・ハーランドを獲得したのだ。
ブンデスリーガの得点王こそ当時バイエルンに所属していたレヴァンドフスキに譲ってきたが、U-20ワールドカップ得点王やUEFAチャンピオンズリーグ得点王(2020-2021)などすでに実績は欧州トップクラスであり、シティに足りていなかった「得点を奪える選手」だ。
シーズン当初はハーランドと周囲の選手とのコンビネーションが合わず上手くいかないことも多かったが、徐々にギュンドアンやグリーリッシュ、デ・ブライネといった選手たちとのコンビネーションを深め圧倒的な強さを構築させた。
ハーランドが加入するまではポゼッションと細かいパスワークで崩すことがほとんどだったが、ハーランド加入以降はロングボールを織り交ぜながら攻めることができるようになったため、相手からするとかなり抑えるのが難しいチームとなっていたのだ。
昨季は2シーズンぶりにCL決勝の舞台に辿り着くと、インテルとの決勝戦でロドリが得点を奪い悲願の初優勝を実現させた。
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