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重圧のかかるシーズン終盤 第2回リランキングを終えて【原田香里のゴルフ未来会議】

第2回リランキングで1位にたつ桑木志帆(撮影:上山敬太)

ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。先週途中から急に秋が深まったような気候ですが、お風邪などひいていませんか? 体温調節にはくれぐれもお気を付けください。

今週は、国内女子ツアー第2回リランキングについてお話をしたいと思います。9月の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」終了後に第2回リランキングが行われています。翌週の日本女子オープンは、JLPGA(日本女子プロゴルフ協会)ではなく日本ゴルフ協会(JGA)主催競技のため出場資格が異なり、新しいリランキングが適用されたのは先週の「スタンレーレディス」からです。
 
今年のリランキングはこれで終了。「スタンレーレディス」(すでに終了)を含めても、残りは8試合しかありません。そのうち、「TOTOジャパンクラシック」は、米女子ツアーの1戦でもあり、そちらから選手が出場することもあって、シード選手ですら全員が出られるわけではありません。大会3週前の富士通レディス終了後のメルセデスランキング35位までしか出場できず、リランキングからはノーチャンスです。
 
最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」も、その年の優勝者とメルセデスランキング上位者などの限られた選手しか出場できません。つまり、リランキングから出場できる試合は6試合しかなく、しかも日照時間が短いため出場選手が減ることから、厳しい状況での戦いです。
 
リランキングリストをもう少し細かく見てみましょう。1位の桑木志帆さんの様に、メルセデスランキングでも13位に入り、シード獲得を確実にしている選手ももちろんいます。2位の竹田麗央さん(同26位)ももう大丈夫でしょう。メルセデスランキング50位までが手にできる来年のシード権や、来年の第1回リランキングまでの間の出場資格がある51位から55位までの通称“準シード”獲得に向けての正念場が、ここからのシーズン終盤です。
 
第1回リランキングの後、大きく躍進したのが6位の内田ことこさんと7位の宮澤美咲さん、8位の濱田茉優さんです。第1回リランキングでは、それぞれ21位、25位、38位だったのですから、中盤戦から結果を出し続けていたことがわかります。いずれも、6試合出場できる順位にいることから、まだまだポイントを稼ぐ機会もあるでしょう。
 
出場できる試合で全力を尽くして結果を出すしかありません。シード選手でなければ、出場資格を得られるかどうかがかかるのが、序盤戦はQTランキング、その後はリランキングです。シーズン大詰めになればなるほど、そのことを痛いほど感じながら、プレーしなくてはならなくなるのです。もちろん『優勝』という一発逆転の可能性も残されています。試合に出場することができれば、の話にはなりますが…。
 
昨年、金田久美子さんは、リランキングごとに順位を上げて、10月の「樋口久子 三菱電機レディス」で11年ぶりに優勝。大会前のメルセデスランキングは70位と、シード権獲得は危ういところからの大逆転でした。
 
長い期間をあけて優勝することができたり、シード権のないところから這い上がったりすることができる選手に共通していることは、決してあきらめない気持ちを持ち続けていること。シード権獲得が確実でなく、QT行きを覚悟しなければいけないという気持ちを持ちながらの戦いは、日々、心身を疲弊させるものです。
 
けれども、そこを『目標』にすることはやめたほうがいいと思います。覚悟と同時に高い志は持ち続ける。QTのための調整、と言うような気持ちでプレーしていては、大逆転などできるはずもありません。金田さんほどのベテランであれ、若い選手であれ、優勝への思いを持ち続けながら、心と体のバランスをとってプレーをすることが、結果につながると思います。
 
言うは易く行うは難しですが、私にも選手時代があるのでみんなの大変さはわかっているつもりです。さぁ、残りあと少し、厳しいサバイバルレースですが、みんな、頑張ってください!
 
■原田香里(はらだ・かおり)
1966年10月27日生まれ、山口県出身。名門・日大ゴルフ部にで腕を磨き1989年のプロテストに合格。92年の「ミズノオープンレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。93年には「日本女子プロゴルフ選手権大会」、「JLPGA明治乳業カップ年度最優秀女子プロ決定戦」勝利で公式戦2冠を達成。通算7勝。その後は日本女子プロゴルフ協会の運営に尽力し21年3月まで理事を務めた。

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