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しれっと静かにプレーで1差発進 橋添穂が立てた“がっつかない”作戦とは…

橋添穂がステップ2勝目に向け好発進を決めた(撮影:米山聡明)

<SkyレディースABC杯 初日◇26日◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6660ヤード・パー72>

今季すでに1勝、「ラシンク・ニンジニア/RKBレディース」でステップ初優勝を挙げている橋添穂が首位と1打差、3アンダー・4位タイと好発進を決めた。

「今日は朝から最後まで、ピンチもなければチャンスもないという感じでした」という橋添の第一声からは、さぞフラストレーションの溜まるラウンドだったことを想像させるが、実はそうではない。

「このコースでピンチがないのは心に余裕が持てるというか、少し曲げるだけで大事故になってしまいます。チャンスが少ない中で、前半の連続バーディは短いパッティングだったので、そこで貯金を作っておけて後半に進むことができたので、それもすごく良かったです」と流れのいい1日がスコアメイクにつながった。

前半は6番パー5では1.2メートルの下りのラインを読み切ってバーディ。さらに続く7番パー4では、1ピンの距離を沈めた。最終18番パー5でも3オン・1パットのバーディとした。特に18番はかなり切れる難しいスライスラインだったが、見事、最後のひと転がりでカップインさせた。

「(18番では)結構傾斜を警戒して、そーっと打ったんですけど、思ったより転がってくれなくて止まっちゃうかなと思ったんですけど、最後いってくれたのでよかったです」と最終18番でのバーディに笑みをみせた。

大会前日、練習ラウンドで念入りにコースをチェックした橋添。「このコースは気張っていくとダメ」と話していたが、今日のプレーはその立てたプランよりも上出来だったという。「今日は1つアンダーにすればいいかなと、練習の時から思っていたので自分の調子をみながらやって、ノーボギーだったのがさらによかったです」と合格のラウンドには、さらにスマイルがはじける。

特に好調のポイントに挙げたのがドライバーだ。「ドライバーショットがよくて、ラフに3回しかいかなかったのが今日のスコアにつながったキーだと思います」。曲げると深いラフが待ち構え、そこから無理に狙うと大叩きの危険もある。

「明日からどうなるかはわかりませんけど。今日は静かにゴルフをしていた感じです。こうやって静かにプレーして3つ伸ばすことができるなら、このまま静かにやってたほうがいいんじゃないかなと思っていたりするんですけど…。でもどうだろう?このコースでがっついて、ちょっとミスしてまた次のショットを狙いにいったら絶対に失敗すると思うので。やっぱりミスしたら一回引いてというのは徹底してやりたい」と自問自答の末、やっぱり静かなプレーを目指すつもりだ。

攻めて無理にバーディを狙いにいけばリスクは高い。「自分を曲げずにできたらなと。この試合のプランを変えないでできたらいい結果がついてくると思います。耐えなければいけないコースだと思っていたので、そういうプランにしました」。2日目も自分を曲げずに着実にスコアを積み上げて、好位置で決勝に進む。(文・土屋裕一)

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