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打つの早すぎ! 細川和彦、究極の力感“ゼロ”スイング「クラブに振られているイメージ」

アマチュアも羨望のまなざし? 細川和彦の力感なしスイング(撮影:ALBA)

<ファンケルクラシック 2日目◇19日◇裾野カンツリー倶楽部(静岡県)◇6993ヤード・パー72>

7アンダー・単独首位で2日目をスタートした細川和彦は、4バーディ・2ボギーの「70」で回り、トータル9アンダーで首位を守った。「子供と2人で『2ケタいきたいね』と話していたんだけど、17番のボギーがね…」。細川の隣にはキャディを務める大学2年生の次男、和秋さん。父はトータル10アンダーまで伸ばして迎えた17番パー3でのボギーを悔やんだ。

それでも、初日からリズムのいいショットでバーディチャンスを量産するゴルフは変わらない。ボギーとなった17番もティイングエリアとグリーン上で吹く風の向きが違っていて、読むのが難しかっただけで、ショット自体には問題がなかった。そんなレギュラーツアー通算8勝を挙げた細川のスイングの特徴は、構えたらすぐバックスイングに入る“早打ち”。それは今も昔も変わらず。ドライバーでもアイアンでも力みなく“スッ”と振り抜いていく。どんなことを意識しているのか聞いてみた。

「弾道のイメージだけ。それが出なかったら素振りをする」。裏を返せば、弾道のイメージが決まっていたら、素振りもしないで時間をかけずに打つ。「じっとしていると力も入るし、いろんなことを考えちゃう」と、早打ちの理由を語る。さらに「倉本(昌弘)さんが好きだな。一緒に回るとリズムが良くて、お互いにいいスコアが出る」とも。レギュラーツアーで通算30勝を挙げた永久シード選手、倉本もまた、構えたら早く打つタイプだ。

アマチュアの場合、飛ばそうとして力が入ると大きなミスにつながる。細川のスイングを見ていると、『力みって何?』と言わんばかりだ。「アゲインストほど力を抜いて打とうとはしていますね。インパクトで力を入れれば入れるほど、スピンが増えて逆に弱くなっちゃう」。

ではどうすれば力みを抜けるのだろうか? 「クラブに振られているイメージで打ちたい。アマチュアの人はクラブを振っちゃっている。ヘッドの重さを感じて打たなくちゃいけない。アマチュアの人もパターだけは一生懸命ヘッドの重さを感じて素振りをしているのに、ショットになると忘れちゃう。だからパターと同じイメージで打ちたい」。

パターからヘッドの重みを感じてショットにつなげる。だから当然パターでも力みはない。「グリーンが重たいと思ってインパクトを強くすると、変な転がりとかパンチが入って3パットもある。誰だっていいときは力感なくスムーズに打てている」。今週の細川はまさにそういう状態なのだ。

明日の最終日は2打差のトップで迎えるが、2打差の2位タイにつける片山晋呉、宮本勝昌の50歳コンビと最終組を回る。ともにレギュラーツアーのシード権を持つ敵は手強く、簡単には勝たせてくれなさそうだ。

でも、細川には心強い味方がいる。キャディの和秋さんはテレビカメラに手を振るなど、緊張することなく優勝争いを楽しんでいる。そんな愛息との会話は細川にとって好材料となる。「結果はどうであれ楽しみながらやりたい。最後の2文字を狙って頑張りたいですね」。父子で“優勝”という最高の夏休みを完成させる。(文・下村耕平)

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