ウクライナ軍の予備役に入った元テニス選手が語ったロシア追放への“本音”「それだけじゃプーチンを止められない」
ロシアのウクライナ侵攻が続くなか、祖国を守るために自ら立ち上がる人々は少なくない。元プロテニスプレーヤーのセルゲイ・スタコフスキ(ウクライナ)もそのひとりだ。
2013年のウインブルドン2回戦で元世界王者のロジャー・フェデラー(スイス/現27位)に勝利し、大番狂わせを演じた36歳は、今年1月の全豪オープン後に現役を引退。セカンドキャリアを始めようとしていた矢先に、ロシア軍によるウクライナへの侵攻が勃発した。
一連の攻撃に対して強い危機感を感じとったスタコフスキは、いち早く家族をハンガリーへ避難させた。そして、「ヨーロッパや世界の指導者は誰も助けようとしない」とウクライナ軍の予備役へ登録。自ら前線に赴く強い決意を示した。
もっとも、国際社会においてロシアへの締め付けは厳しくなっている。
スポーツ界も例外ではなく、先月28日にIOC(国際オリンピック委員会)がロシアとそれを支援するベラルーシの選手、関係者をあらゆる国際大会から除外するように各競技連盟に勧告。これに続くようにスポーツ界では追放する動きが一気に広まった。
しかし、いまもウクライナで暮らし、悲惨な状況を目の当たりにしているスタコフスキは、より強い手助けを求めている。現地時間3月2日に英放送局『ITV』の情報番組「Good Morning Britain」に軍服を着て出演した彼は、「ロシアに対するスポーツ面でのあらゆる制限や制裁は素晴らしいと思う。うまくいっていると確信したい」と語ったうえで、“本心”を口にした。
「だけど、それだけじゃプーチンを止められないんだ。彼がやっていることに誰かが歯止めをかける必要がある。私たちはより良い生活を求めているだけなのに、こうしてやられている。今の世の中に、核兵器の力を持った人間がいていいのかと本当に思う。私は、次に彼(プーチン大統領)が、何をするか分からなくて不安だ」
日々悪化する国内の状況から、ロシアへの懸念をあらためて語ったスタコフスキ。一刻も早く彼が求める平和の訪れを祈るばかりである。
構成●THE DIGEST編集部
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