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ジョコビッチのワクチン非接種宣言が選手間で波紋。仏選手は「自由は全てのものよりも強力だ」と賛同も<SMASH>

自身もワクチンを接種していないエルベール(左)は、非接種を貫くジョコビッチ(右)の姿勢に理解を示す。(C)Getty Images
オーストラリア入国問題で世界的な騒動を巻き起こした男子テニス世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)。渦中の彼は先日の英公共放送『BBC』のインタビューで、ワクチン接種が選手に義務付けられた場合、四大大会の欠場も辞さない構えを示した。これに賛同したのが、ジョコビッチ同様にワクチン接種を完了していないピエール-ユーグ・エルベール(フランス/世界109位)だ。

かねてから「個人的な選択でワクチンを接種していない」と明かしているエルベールは、全豪オープンを含め1月のオーストラリア全大会を欠場していた。現在母国で出場中の「オープン13」(2月14日~20日/フランス・マルセイユ/インドアハードコート/ATP250)が自身の今季ツアー2戦目で、現地15日に行なわれた1回戦で勝利している。

その試合後の記者会見でエルベールは、『BBC』のインタビューでジョコビッチが「ワクチン接種を強制されるのであれば全仏もウインブルドンも出ない。自分の身体についての意思決定の原則はいかなるタイトルよりも重要だ」と宣言したことについて問われ、次のように答えた。

「自由はテニスや他の全てのものよりも強力だ。彼のインタビューで自分の考えと重なる部分があったことがわかった。彼の立場に大きな敬意を表したい。彼は信念を持っていて、僕はリスペクトしているよ。自分の今の状況でプレーできることは本当にうれしい。昨年末の時点では、今後のことがほとんど見えなかったのは確かだったんだ」

なお、エルベールは1月に新型コロナウイルスに感染し、現在は抗体を持っているとされている。
また、このほど米テニス専門メディア『Tennis Channel』のインタビューに応じた女子テニスのジェニファー・ブレイディ(アメリカ/107位)もジョコビッチの発言を受け、「誰もが意見や信念を持つ権利がある」と主張。

だが「多忙なスケジュールの中で昨年7月にワクチンを打った」と明かした彼女はジョコビッチの姿勢に理解を示しつつも、ワクチンを接種しないことで不利益を被らなければならない現実を淡々と語った。

「ワクチン接種はツアーを回るための仕事の一部になっている。海外旅行であってもアメリカに帰国するためであっても、接種はやらなくてはいけないことの1つ。ワクチンを受けない限り、人々は入国さえ許されない。彼はその点を考えなければならない」

ちなみに現時点でジョコビッチは「ドバイ選手権」(2月21日~26日/アラブ首長国連邦・ドバイ/ハードコート/ATP500)で今季初戦を迎える予定だが、同国ではプロスポーツ選手に事前のワクチン接種を義務付けていないため、入国を許可される見込みだ。英スポーツメディア『Sportskeeda』によると、ドバイ大会のトーナメントディレクター、サラ・タフラック氏も「ドバイでは(出場には)何の心配もないだろう」と述べている。

文●中村光佑

【PHOTO】テニス史上に残る名プレーヤー!ノバク・ジョコビッチの厳選ショット

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