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【伊達公子】全豪OP開幕目前!世界1位のバーティーは真の女王になれるか。最初のグランドスラム“だからこそ”の注目点<SMASH>

バーティーがもうワンプッシュする姿を見たいという伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)
1月17日から今年最初のグランドスラム、「全豪オープンテニス」が始まります。女子では地元のアシュリー・バーティーに注目したいです。

彼女は世界1位ですが、少し物足りない気がしています。自分を追い込まないようにしていて、コロナ禍でも年間のスケジュールを計画的に大会に出る、出ないのメリハリを作っています。精神状態を保つことを重視しているように感じます。

昨年の全豪オープンでは、大会序盤をかなり抑えぎみで入り、抑えたまま3回戦で敗れてしまいました。自分に精神的な負荷がかからないような戦い方をしているのだと思いますが、もうワンプッシュするバーティーを地元のオーストラリアで見せてほしいですね。期待されすぎて一度引退した頃とは違い、またコロナ禍のランキングシステムだから1位にいるのではなく、本当の女王の座をがむしゃらにつかみにいく姿を見たいです。

男子はジョコビッチがこのまま出場可能になれば、21回目のグランドスラムタイトルを取るのか、それを若手が阻むのかでしょう。可能性が高いのはジョコビッチとメドベージェフの対決でしょうか。強さを表すことが難しいメドベージェフ(笑)。彼のテニスも不思議ですが、ファミリーボックスにいる奥さんも1人で表情を変えずに見ているのがいつも気になります。
シーズンの始まりはファミリーボックスやポイント間を見るのも面白いですよ。特に女子の場合、新しいコーチと噛み合っているのか、難しそうだなどを観察しています。ゲームの流れの中でうまくいっていない時のポイント間に選手がコーチを見る表情や、コーチの反応を見ると、どれぐらいコーチに頼っているのかなど、伝わってきます。

あとは、選手の動きのキレから、オフシーズンの成果がわかります。筋肉の付き方、身体の引き締まり方などは男子よりも女子選手の方が顕著に表れます。良いオフシーズンを過ごしてきた場合も、あまり追い込んでこなかったことも、見てわかるものです。

今年最初のグランドスラムなので、選手のオフシーズンの努力にも気持ちを馳せつつ、今シーズンを予想しながら見てみてください。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

【連続写真】内側にしぼる動きでパワーアップする、バーティーのバックハンドスライス

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