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元世界21位の浅越しのぶさんがリターンの重要性を力説「リターンを強化してから勝ち始めた」<SMASH>

世界を戦ってきた浅越さんはサービスを武器にしていなかったぶん、リターンゲームを重視していた。写真:スマッシュ編集部
元女子テニス世界21位の浅越しのぶさんは、硬式テニスを始めたのが13歳からと遅い異色のプロである。伊達公子さんの高校の後輩でもあり、伊達さんとヨネックスが立ち上げたジュニア育成プロジェクト「リポビタン Presents 伊達公子×YONEX PROJECT ~Go for the GRAND SLAM~」では、コーチとして指導にあたっている。

その中で、リターンを指導する場面が多く見られたため、浅越さんにとってのリターンについて聞いた。

「私自身、プロになりたての頃はリターンがずっと苦手で、まずリターンミスが多かったんです。サービスがどっちに来るかわからないという状態(笑)。リターンを強化してから勝ち始めたので、すごく重要なポイントだと思っています」

ストローク合戦になると、どちらのポイントになるかわからないため、「始まりはサービスとリターンなので、そこで主導権を握りたい」と、最初のショットの重要性を説明。女子テニス界もサービス力は上がってきているものの、「男子に比べると、リターンゲームを取れるチャンスはどこかにあるので、そこをしっかり生かすこと」と、特に女子選手にはリターンは大切だと言う。
では具体的にどういうリターンを心掛けるといいのだろうか。「リターンで相手を少しでも走らせること。安全なコースは相手が打ってきた所に返すことですが、少しでもダウンザラインやショートクロスを打って相手を走らせると、リターン側が主導権を取れます」

相手を走らせるコースに打つ練習や、コーチにサービスライン付近からスピードのあるサービスを打ってもらい、相手をすごくよく見て一歩目の反応を早くする練習をして強化していたという。

最後にリターンゲームの心構えについて、「リターンゲームだから落とすという考えを捨てて、リターンでもチャンスを見つけるという気持ちでいること。リターンゲームを大切にしてください。それを強化するだけでゲーム展開も変わってきます。立ち位置を変えたり、相手を威圧するだけでも、相手にプレッシャーを与えられます」

プロの試合でもリターンのポジションを変えて相手にプレッシャーをかけているシーンを見たことがあるだろう。サービスを武器にできる選手が少ない日本人こそ、リターンの強化に取り組んでいこう。

取材・文●赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

【PHOTO】「リポビタン Presents伊達公子×YONEX PROJECT ~Go for the GRAND SLAM~」ジュニアたちが成長するキャンプの様子

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