ジョコビッチがワクチン接種義務付のATPカップメンバーに登録。同条件の全豪にも出場か?<SMASH>
来年1月1日から開催される男子テニス国別対抗戦「ATPカップ」(オーストラリア・シドニー/ハードコート)の組み合わせ抽選会が現地12月7日に行なわれ、2020年の第1回大会優勝国であるセルビアはノルウェー、チリ、スペインと共にグループAに入った。そしてその代表メンバーに、世界ランク1位のノバク・ジョコビッチの名が登録された。
大会には全16か国が参加。4か国ずつが4グループに分かれて総当たり戦を行ない、各グループ1位の計4か国が準決勝に進出する。対戦はシングルス2試合とダブルス1試合で行なわれ、先に2勝したチームが勝利。賞金総額は1,000万ドル(約11億円)で、シングルスプレーヤーは最大750のランキングポイントを獲得できる。
オーストラリアの日刊新聞「The Age」によると、ATPカップでは1月17日に開幕する全豪オープン同様に新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的として、出場する選手に事前のワクチン接種を義務付けているという。
しかし周知の通りジョコビッチは、これまで安全性の観点から度々ワクチン接種に消極的な姿勢を示してきた。以前には「(ワクチンが義務化されるなら)メルボルン(全豪)でプレーするかどうかはわからない」と語っていたほどだ。現段階でも自身の接種状況については「答えることによって(メディアに)不利に利用されてしまう」という理由で明らかにしていない。
しかしこれで展望が開けたと見る向きもある。ジョコビッチがこのままワクチン接種を義務付けているATPカップに出場した場合、同様の出場条件を課す全豪にも参戦することが予想されるからだ。ATPカップのトーナメントディレクターを務めるトム・ラーナー氏も「選手たちはオーストラリアに来る際の条件を認識しているはずなので、ATPカップに出場する場合は、そのままその選手たち全員が全豪オープンに出ることを期待している」とコメントしている。
ワクチンはコロナの感染や重症化を防ぐのに有効な手段であることは事実だが、9月末にシーズン終了を発表したジェレミー・シャルディ(フランス)のように接種後に長らく副反応に悩まされるケースも一定数存在する。それだけに難しい判断を強いられるのは間違いないが、ジョコビッチを含めATPカップ、全豪ともにエントリーしている選手全員が無事にプレーできることを祈るばかりだ。
文●中村光佑
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