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「すべてを失うまでチャレンジしたい」実業団を辞めて単身アメリカへ 元JR北海道・中野優の飽くなき挑戦

挑戦への執念

――先ほど、大学時代はスウェーデンリーグでプレーしていたとおっしゃっていましたが、その時のお話もお伺いしたいです
中野優:スウェーデンリーグでは4部のクラブでプレーしていました。そのときに思ったのが、コーチや指導者という面では日本の方が整っていますけど、海外は練習環境がめちゃくちゃ良いなと。

卓球場が広くて、ボールはスリースターで練習するのが当たり前でした。

――確かに、海外の練習環境は整っているイメージはあります。
中野優:ただ、海外だと練習場にも土足で入るのが当たり前なんで、ラバーを変えてもすぐに泥がつくんですよね(笑)
――海外は土足文化ですもんね(笑)そもそもの話なんですが、中野さんはなぜそこまで海外志向が強いんでしょうか?
中野優:中学校の頃から遠征で中国とかに行かせてもらっていてたんですけど、海外に行ったときに「日本って狭いな」って思っちゃったんですよ。
――「日本が狭い」というと?

写真:中野優(JR北海道)/撮影:ラリーズ編集部
写真:中野優/撮影:ラリーズ編集部

中野優:日本だとすべての技術を穴なく、まんべんなくこなせる選手が良しとされているところはあると思うんですけど、海外だと、卓球でももっと自分の強みを活かせたりするんですよね。

もちろん、その分選手として大成せずに潰れる可能性も高いんですけど、自分の道を自分自身で切り開いていけるんですよ。

日本だとある程度周りが守ってくれるけど、海外は誰も守ってくれない。自分がサボったら終わります。けど、その「自分次第」っていうところが面白いんですよね。

――チャレンジングな環境に身を置くのがお好きなんですね。
中野優:高校時代からそうなんですけど、「全部失うまで、チャレンジ、チャレンジ、チャレンジ」って考えていて。もし何か失敗してすべてを失ったとしても、今までの人生で知り合ってきた人たちが支えてくれると思っています。

自分から離れていく人ももちろんいますけど、人とのつながりを大切にすることを意識してこれまで生きてきたんで、救ってくれる人はいると信じてます。なので、そういう意味では自分の中に自信があるのかもしれないですね。

失敗するかもしれないですけど、自分は「すべてを失うまでチャレンジしよう」っていう性格なので。

――最後に今後のビジョンについてお伺いできればと思います。
中野優:期間は未定なんですけど、「Texas Table Tennis Club」に最低でも3年はいて、その後永住権を取得しようと思っています。

まずは就労ビザを手に入れて、その就労ビザで働いている間に永住権が取れればなと。

まだ先のことは分からないですけど、3年、6年、10年、15年と、ずっとアメリカで暮らしていければと思っています。

文:和田遥樹

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