“あのレジェンドがいたクラブ?”ベルギー卓球クラブにアマチュア日本人愛好家が飛び込んだ
気になるプロチームの実力は
ベルギーでのプロレベルである1部リーグは「Super Division」と呼ばれます。しかし、クラブ関係者に話を聞くと、ヨーロッパでプロ選手をフルで雇用できるのは強豪国であるドイツやフランス、スウェーデンとポーランドの一部ぐらい、ということです。
写真:ベルギーの卓球クラブ「Logis Auderghem」/提供:Takaohead
ベルギーは実力的には欧州で決して高くないので、ベルギーで本当にプロレベルの選手は、国内の1部リーグではなく、ほとんどが他国のプロリーグに参加しているということです。
よって、我がクラブの「Super Division」チームも、フルで給料が支払われているわけではなく、普段は別の仕事をしているので、厳密に言えば「セミプロ」選手で構成されているということです。
写真:コーチからアドバイスをうける選手/提供:Takaohead
しかし、実力はもちろん高いので、レシーブからチキータ、高速ラリーなどプロ並みの試合が繰り広げられます。
試合形式はシングルス6本マッチで結果を競います。私が2月上旬に取材した日、我が「Logis Auderghem」は6試合全て勝ち、完勝となりました!
写真:試合の様子/提供:Takaohead
地域クラブに上位チームがある意味
私がとても素晴らしいなと思ったのは、地域のクラブにちゃんと上位チームがあって、興行として卓球の試合が観戦できる設備と環境、そして何よりもそれをサポートし、観戦しにくる地元の人々がいるという点です。
この日、試合観戦にきていたマティア(Mattia Cavagna)さん。本人もアマチュアのクラブ会員ですが、都合がつく限り、必ず応援に駆けつけていると話します。
写真:試合を観戦中のマティアさん/提供:Takaohead
熱心なファンの声
――いつも応援に駆けつける理由は何ですか?
「僕はこのクラブのチームメイトや友人たちが集まるアットホームな雰囲気が大好きで、これはとても大事なことだと思う。そしてSuper Divisionチームのレベルはもちろん、Youtubeで見るようなレベルではないけれど、僕たちアマチュアレベルからしたらとてもたどり着けないようなレベルには間違いない。それがいつも自分のクラブで、ライブで目の前で見れるんだから最高さ!」
――かつてはセイブ選手がいましたが、今の選手たちはあなたにとって、どのような存在ですか?
「もちろん、彼らは国際的なスター選手ではないけれど、ベルギー内ではみんな20位以内のトップレベルだ。そしてまだまだ20代と若く、これからもっとレベルアップするだろう。こうしたプレイヤーが自分と同じクラブであるということは、とっても誇れるし、僕たちの特権だと感じている。そして、卓球を始めたばかりの子供達にもとっても良い影響を与えてくれるしね!」
参考になることが多い
いかがでしたでしょうか?
自分たちが暮らす街に密着したプロチームが活動してれば、それはまさに本当の「ホーム」であり、自然と一体感が醸成されていくんだなあと感じました。
個人的には地域に根ざしたクラブ・施設が拠点として存在し、頂点にはプロチームが、そして大人のアマチュアから子供まで集ってプレーしているというのは羨ましいですし、Tリーグや、中学部活動の地域・民間への移行と、変化を求められる日本のスポーツ事情からしても、参考にできる点が多くあると思いました。
次回は、プロにも負けていない!?アマチュアたちの熱狂の試合事情をご紹介します。
(第2話に続く)
取材・文:Takaohead
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