
<卓球・WTTヨーロッパスマッシュ2025 日程:2025年8月14日〜24日 場所:マルメ(スウェーデン)>
8月14日〜24日にかけてスウェーデンのマルメにてWTTヨーロッパスマッシュ2025(以下、ヨーロッパスマッシュ)が行われ、全種目で優勝者が決まった。
本記事では、ヨーロッパスマッシュで話題となったトピックスを5つ紹介する。
※世界ランキングは大会当時のもの
男子シングルスで番狂わせが続出
男子シングルスでは、地元・ヨーロッパ選手が世界ランキング上位選手を次々と破る波乱の展開が相次いだ。
予選から勝ち上がった世界ランキング103位のアドリアン・ラッセンフォッセ(ベルギー)は、1回戦でリアム・ピッチフォード(イングランド)、2回戦で梁靖崑(リャンジンクン・中国)をいずれもストレートで下し、ベスト16進出の快進撃を見せた。
また、シモン・ゴジ(フランス)は1回戦で林高遠(リンガオユエン・中国)を撃破。続く試合でもカナック・ジャー(アメリカ)、ダルコ・ヨルジッチ(スロベニア)を連破して準決勝へ進出した。
準決勝では世界ランキング1位の林詩棟(リン・シドン・中国)に敗れたものの、観客を魅了するプレーを存分に披露し、フルゲームまで迫った。
さらに、ベネディクト・デューダ(ドイツ)は世界ランキング4位でW杯王者のウーゴ・カルデラノ(ブラジル)をストレートで破るなど、男子シングルスはまさに群雄割拠の時代を象徴する大会となった。
女子シングルスでも波乱の展開
女子シングルスでも多くの番狂わせが生まれた。世界ランキング19位のブルーナ・タカハシ(ブラジル)は、2回戦で張本美和(木下グループ)を撃破。続く3回戦では、ベスト4まで勝ち上がった陳熠(チェン・イー・中国)にフルゲームで迫る健闘を見せた。
また、カットマンの橋本帆乃香(デンソー)は、世界ランキング18位の銭天一(チェンティエンイ・中国)と同5位の王藝迪(ワンイーディ・中国)の中国勢2選手を連破した。
さらに、バック面にアンチラバーを使用する世界ランキング40位のサビーネ・ウィンター(ドイツ)は、ベルナデッテ・スッチ(ルーマニア)と陳幸同(チェン・シントン・中国)を下した。
男子ダブルスで黄鎮廷/陳顥樺が優勝
男子ダブルスでは、中国香港の黄鎮廷(ウォンチュンティン)/陳顥樺(チャンバルドウィン)ペアが頂点に立った。
黄鎮廷/陳顥樺ペアは、準々決勝で第1シードの林鐘勲(イムジョンフン)/安宰賢(アンジェヒョン・韓国)ペアを撃破すると、準決勝では張本智和(トヨタ自動車)/篠塚大登(愛知工業大)ペアにフルゲームで勝利。
決勝でも林詩棟(リンシドン)/黄友政(ファンユージェン・中国)ペアとのフルゲームの激戦を勝ち切り、堂々の優勝を飾った。
リサイクルボール「RS40+」を初採用
今大会では、世界初のリサイクル素材を使用した「RS40+ Three Star」が公式球として導入された。
このボールは、冷蔵庫や洗濯機など家庭用家電のプラスチック廃材から再生したABS樹脂を65%以上使用し、3月にITTF(国際卓球連盟)から承認を受けた。従来品と同等の反発力・回転性能を保ちながら、環境負荷の低減を実現している。
男子世界ランキング1位の林詩棟(リンシドン・中国)は「以前のボールよりも少し重く感じるが、実際のプレーで違和感はない」と評価。女子世界ランキング1位の孫穎莎(スンインシャ・中国)も「快適ですぐに適応できた」と太鼓判を押した。
RS40+の登場は、競技レベルを損なうことなく環境に配慮した用具の開発が可能であることを示しており、今後の国際大会の新たなスタンダードとなる可能性を秘めている。
モーレゴードが地元で歴史的快挙
男子シングルスの決勝では、トルルス・モーレゴード(スウェーデン)が林詩棟をフルゲームで下し、自国開催の舞台で悲願のグランドスマッシュ初優勝を果たした。
過去7回開催されていたグランドスマッシュでは、すべて中国選手が優勝を飾っていた。特に、USスマッシュ前までの2大会(チャイナスマッシュ、シンガポールスマッシュ)は林詩棟が連覇していたこともあり、林詩棟はグランドスマッシュ3勝目がかかっていた。
試合も、モーレゴードがゲームカウント3-1で王手をかけてから林詩棟が3-3まで追いつく白熱の展開となったが、最後はモーレゴードが壮絶なラリー戦を制して栄冠を掴み取った。
モーレゴードは地元の大声援を背に、中国人以外の選手として初のグランドスマッシュチャンピオンとなった。
WTTヨーロッパスマッシュ2025最終結果
男子シングルス
第1位:トルルス・モーレゴード(スウェーデン)
第2位:林詩棟(リンシドン・中国)
第3位:シモン・ゴジ(フランス)、ベネディクト・デューダ(ドイツ)
女子シングルス
第1位:孫穎莎(スンイーシャ・中国)
第2位:王曼昱(ワンマンユ・中国)
第3位:陳熠(チェンイー・中国)、石洵瑶(シシュンヤオ・中国)
男子ダブルス
第1位:黄鎮廷(ウォンチュンティン)/陳顥樺(チャンバルドウィン・中国香港)
第2位:林詩棟(リンシドン)/黄友政(ファンユージェン・中国)
第3位:張本智和(トヨタ自動車)/篠塚大登(愛知工業大)、アイザック・クエク/パン・コーエン(シンガポール)
女子ダブルス
第1位:孫穎莎(スンイーシャ)/王曼昱(ワンマンユ・中国)
第2位:大藤沙月(ミキハウス)/張本美和(木下グループ)
第3位:金娜英(キムナヨン)/リュウ・ハンナ(韓国)、長﨑美柚(木下アビエル神奈川)/申裕斌(シンユビン・韓国)
混合ダブルス
第1位:林詩棟(リンシドン・中国)/蒯曼(クアイマン・中国)
第2位:林鐘勲(イムジョンフン)/申裕斌(シンユビン・韓国)
第3位:エドゥアルド・イオネスク/ベルナデッテ・スッチ(ルーマニア)、松島輝空/大藤沙月(ミキハウス)
文:ラリーズ編集部
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