• HOME
  • 記事
  • 卓球
  • 早稲田大・徳田幹太「勝って自分の世界を広げる」何苦楚魂で努力重ね全日学優勝 掴み取った金沢ポート入団

早稲田大・徳田幹太「勝って自分の世界を広げる」何苦楚魂で努力重ね全日学優勝 掴み取った金沢ポート入団

やっと自分の卓球の理想形ができてきた

写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部

――「伸び悩んでる」と結構言われたとのことですが、ご自身としては自分の卓球についてどう感じていましたか?
徳田幹太:正直、自分としては大学に行ってから強くなっていると手応えを得ていました。

ただ、全国でシングルスベスト8にも入れていなかったので、結果だけ見るとそう言われても仕方ないとは感じていました。

――高校の時よりもレベルアップしたのはどういう部分ですか?
徳田幹太:考え方が変わったり、戦術も増えたりしているので、高校の時より見違えるぐらい強くなってると思います。

特にメンタルが1番安定してきていますね。

どんな状況でも簡単に崩れなくなってきましたし、どの大会でも自分のプレーができている試合が多いです。

写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部

――個人的な印象で恐縮ですが、プレースタイルは高校時代から変わったのかなと感じていました。

高校の時はガンガン振っていく“これぞ野田学園”というような超攻撃的なスタイルでしたが、大学に入ってからは安定感は増した分、攻撃的な部分が鳴りを潜めているのではないかと…。

徳田幹太:結構それは自分でも感じていました。自分のプレーを見返して、「なんか自分の良さが消えたな」「高校の時はこういうプレーできていたのにな」と思うことは何回もありました。

写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部

徳田幹太:でも、大学に入って関東に来て、実業団の方を筆頭に様々な方からアドバイスをいただいて、その良い部分を取り入れて、戦術面が固まってきました。なおかつ、自分の武器であるどこからでも振り続けられる両ハンドが全日学ではマッチしました。

戦術と技術が上手くマッチして、やっと自分の卓球の理想形ができてきたという感じはしましたね。

モットーは「どんな人にも憧れられる選手に」

写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部

――西東監督は、選手の獲得基準に「諦めない」「簡単に負けない」というのがあるとおっしゃっていました。

徳田選手もそういう戦いぶりだと思いますが、何か試合への臨み方で意識していることはありますか?

徳田幹太:「どんな人からも憧れられる選手になりたい」というモットーが自分の中にあります。

ありがたいことに、野田学園のときから「写真撮ってください」とか「サインください」とか声をかけてくださるファンの方々がいます。

自分を応援してくれる人がいるのだから、試合を諦めることは絶対にしないし、最後までガッツを出して戦うというのは決めています。

写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部

――卓球選手として素晴らしい意識ですね。そういうところを見て、ファンは応援したくなるのだと思いますし、西東監督も評価してくれたのだと思います。

また、西東監督は、「徳田選手には遠慮せず貪欲に先輩たちから学んで成長してほしい」ともおっしゃられていました。

徳田幹太:松平さんや吉田さんからは戦術や台上プレーを学んでいきたいですし、田中佑汰さんのバックハンドも間近で見て吸収したいです。

張禹珍選手に関しては、近くでプレーを見られるだけでもありがたいので、世界トップのプレーを見て、自分の成長に繋げたいです。

――先輩方にはガツガツ聞きに行けるタイプですか?
徳田幹太:初対面でガツガツはいけないかもしれません…。

でも、遠慮していてはもったいないので、いっぱい聞きに行きたいと思います!

――いいですね!今後どんどん成長してTリーグを代表する選手になってください!

ご自身としてはこの金沢ポートとの契約をきっかけにどうなっていきたいですか?

徳田幹太:期待していただいている分、勝利を積み重ねて金沢ポートをどんどん盛り上げていかないといけないと思っています。

写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部

徳田幹太:まだ全然そういう立場にはいないと思いますが、半年後、1年後には「徳田なら勝ってくれる」と思われるような選手になりたいです。

いつチャンスが来ても掴み取れるように準備しておきますし、試合に出られたらリーグ戦のように1点ごとにジャンプしてガッツポーズするくらい闘志を出してチームを盛り上げていきます!

写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
写真:ベンチに熱いガッツポーズを見せる徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部

――金沢ポートは落ち着いた選手が多い印象なので、徳田選手の熱さとフレッシュさでまた新しい風を吹き込んでください!
徳田幹太:頑張ります!
――「覚醒」を掲げて取り組まれている1年だと思いますが、しっかり覚醒していってますね。
徳田幹太:覚醒というテーマを自分で掲げたんですけど、試合終わってから「調子よかったね」「覚醒してたね」と言われるとなんか違うなと思ってきています(笑)。

もちろん嬉しいんですけど、自分はこれだけ頑張ってきているんだから、「覚醒」ではなく「実力」と言われるように頑張っていきたいと思っています。

写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部

学生卓球界に希望を与える存在に

私も、野田学園高校時代の爆発力あるプレーや試合での立ち振る舞いを見て、徳田幹太に魅了された1人だ。

高校3年生のときにインタビューさせてもらい、小学2年で日本一になるも小学4年で心臓手術を経験して一時は成績が落ちたこと、それでも小学6年でHNT合宿で1位になるまで成長したことなどを伺い、努力して這い上がれる心の強い選手だなと感じていた。

早稲田大学進学後は、1年生の全日学でダブルス優勝もシングルスはベスト32で終わってしまう。しかし、そこからリベンジを誓って腕を磨き、今年優勝を勝ち取った。

そういうストーリーも徳田を応援したくなる要素の1つだ。

絶対に最後まで諦めない姿勢は、見てる人々を勇気づけるだろうし、自らの努力でチャンスを掴んだ徳田が活躍すれば、学生卓球界の選手たちにも希望を与えることになる。

Tリーグの舞台でどのようなプレーを見せてくれるのか、デビュー戦が待ち遠しい。

取材・文:山下大志(ラリーズ編集長)

関連記事