「獲得候補にすら入ってなかった」徳田幹太に金沢ポートが複数年契約でオファーしたワケ
技術が多彩で強くなる可能性が無限大
私は卓球選手を「6箇所から打てるか」という観点でよく見ています。
・前陣のフォア、バック ※前陣=頂点より前の跳ね際。打球点が低い
・中陣のフォア、バック ※中陣=上昇途中の頂点付近。打球点が高い
・後陣のフォア、バック ※後陣=頂点から落ちてくる部分。打球点が低い
の6箇所です。
例えば松平健太だと、前陣の早い打点で両ハンドを打てますし、少し下がったり、引き合いレベルまで下がっても両ハンド打つことができます。なので6個揃っています。
これはたぶん野田学園がすごいんだと思うんですが、徳田は6箇所全部から打てます。
特に中陣でバックドライブができるから、右右でダブルスが組めています。右右でダブルスを組んだ時はどうしてもバック側に詰められる。でも徳田がバックで中陣から打てるので濵田一輝とのダブルスは強いんですよね。
写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
実は全部の技術ができるから、パワーや質を高めればいくらでも伸びしろがあります。強くなる可能性が無限大です。
写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
遠慮せずに学び成長してほしい
また機会があれば皆さんにもお伝えしようかと思うのですが、そこまで背が高くないのにウジンが勝てているのには理由があって、フォアのとある技術がポイントなんですよね。
しかもウジンは、相当細かく周りの選手に技術を教えてくれるナイスガイです。徳田に向けて講習会してもらおうかな(笑)。
写真:チャンウジン(金沢ポート)/撮影:ラリーズ編集部
写真:チャンウジン(金沢ポート)/撮影:ラリーズ編集部
徳田にはも伝えますが「遠慮していてはダメだよ」と。例えば帯同したいなら「帯同したい」、誰かと練習したいなら「練習したい」と主張してくれれば、しっかり調整するので、特に監督の自分とは遠慮せずにコミュニケーションしてほしいです。
写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
最後に、徳田選手のような若手が入ることで、金沢ポートにとってどういう刺激があると考えていますか?
徳田や三浦が入ることで競争がより激化して、刺激し合ってほしいです。
徳田も三浦も遠慮しないで「自分がポジションを奪ってやる」というガツガツとした気持ちでレギュラーを狙いに行って、チームに良い変化をもたらしてくれることを期待しています。
写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
Tリーグを盛り上げる存在へ
学生卓球でヒーローとなり、Tリーグの舞台への挑戦権を獲得した徳田幹太。
甲子園で活躍した選手がプロ野球でたくさんのファンから応援されるように、徳田には学生卓球ファンをTリーグでも魅了し続けてほしい。
逆に金沢ポートには、若手の爆発力とベテランの安定感でTリーグをさらに盛り上げてくれることを期待したい。
様々な課題が山積みなTリーグではあるが、選手にとっては憧れの舞台であることには変わりはない。少しでも多くの卓球ファンに魅力を伝えるべく、選手やチームのストーリーを今後も追っていきたい。
取材・文:山下大志(ラリーズ編集長)
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