
卓球・日学連新会長はプロ経営者 菱洋エレクトロ社長 中村守孝氏インタビュー【前編】
オリンピック博士と呼ばれて
毎日卓球ばっかりで、休みの日も(明治大学卓球部の拠点であった)平沼園に練習に行ったり。当時私が中学生で、大学生だった前原正浩さんと試合して、コテンパンにされました。先日お目にかかりましたが、全くご記憶にはなかったようで(笑)。
大学は慶応に行き、卓球は高校で辞めましたが、ずっと好きでしたね、卓球は。
写真:中村守孝氏(菱洋エレクトロ代表取締役社長)/撮影:伊藤圭
また前職の人事部長時代に高松三越へ出張した際に、大学の先輩でもある德永尚子さん(旧姓深津、1965年世界チャンピオン)が女将をされている料亭を突撃訪問したりもしました。
私の場合小学生から中学生にかけて“オリンピック博士”と呼ばれるほど、ずっとスポーツ全般を見るのが好きだったものですから。大学卒業後はスポーツ新聞の記者になりたかったくらいです。
写真:東京五輪で金メダルを獲った水谷隼(木下グループ)・伊藤美誠(スターツ)ペア/提供:ロイター/アフロ
きっかけはメキシコオリンピック
その間、ふとんの中でずっとテレビで見て、その世界にものすごく興奮して心惹かれましてね。
もうお亡くなりになりましたが、女子体操にはまだチャスラフスカさん(チェコスロバキア)がいたり、その後も長らく破られることのなかった陸上走り幅跳びの世界記録8m90cmが出たり。初めて人類が陸上100mで10秒を切ったのも、そのときですね。
それぞれのあまりの素晴らしさに心を打たれて、気付いてみたら全部丸暗記しちゃったんですよ。
表彰式で、黒い手袋で人種差別に抗議する有名なシーンもありました。
写真:メキシコオリンピック表彰式で人種差別に対する抗議を示したシーン/提供:Everett Collection/アフロ
写真:資料も何も見ずにすべて暗記している中村守孝氏(菱洋エレクトロ代表取締役社長))/撮影:伊藤圭
男の眼が光る
論理と美意識が交互に顔を出す、自信に満ちた語り口である。日本学生卓球連盟の会長に就任したこの人にとって、卓球部時代の経験も経営者としての礎の一助となっているのなら、ぜひ聞いてみたい。
“これから社会に出る卓球部の学生や若手社会人にもアドバイスを”と持ちかけたとき、不意に中村社長の眼がギラリと光った気がした。
「卓球で得た何かを社会に活かす?難しい質問ですね。」
更に、男の舌鋒は鋭くなったのだった。
(【後編】卓球で得たものを社会人生活に活かすたったひとつの方法 日学連新会長就任・菱洋エレクトロ社長 中村守孝氏インタビュー へ続く)
写真:中村守孝氏(菱洋エレクトロ代表取締役社長)/撮影:伊藤圭
取材・文:槌谷昭人(ラリーズ編集長)
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