公立高校でインターハイベスト8入り 長野工業卓球部に潜入 強さの秘訣は“生徒をやる気にさせる指導方法”
公立高校ならでは苦労
写真:選手に話しかける塚田博文監督(長野工業高)/撮影:ラリーズ編集部
あっても軌道に乗るまでには2~3年がかかり、ようやく軌道に乗ってきたなと思ったら、転勤を命じられるという繰り返しです。
公立高校には、苦労されている先生が多いと思います。ただ、私は幸いにも初任から今に至るまで卓球部のある学校に務めることができ、35年間楽しい教員生活を送っています。
水銀灯が半分以上切れた薄暗い練習場で、雨が降れば天井からの雨漏れがあり、卓球台はすべてボロボロ、窓ガラスも何枚も割れている状況でした。
学校に掛け合っても予算がないと一蹴されてしまう始末でしたので、先ずは自腹で卓球台を2台買い、さび付いたドアのペンキ塗りや床のワックス掛けを生徒と一緒にやり、少しずつ環境を整備していきました。
今でも空調設備こそありませんが、長野県の公立高校では、一番良い環境になったと思います。
写真:長野工業高卓球部の練習場/撮影:ラリーズ編集部
「周りから応援されるチームになろう」
それには、親や仲間への感謝の気持ちが大事であること、勉強や掃除、挨拶といった当たり前のことを当たり前にできる人間になることが大切だと生徒に伝えています。
また、卓球という競技は、大会や練習試合などを通じて、出会いのチャンスが多い競技です。卓球を通し、お互いに理解しあえる仲間をたくさん作ってほしいと思っていますので、そのような機会をできるだけ提供したいと思っています。
現在、文部科学省が中心となり、学校部活のあり方について議論がなされ、今後部活動が急速に変化していくことが予想されます。
専門部としては、卓球を愛する高校生たちがより充実した活動を行えるような、環境整備にも力を注いでいきたいと考えます。そして、卓球界が益々発展していくよう、日卓協とも協力して事業を進めていきたいと思います。
写真:長野工業卓球部のメンバー/撮影:ラリーズ編集部
取材・文:山下大志(ラリーズ編集部)
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