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「あの時期、陽向を怒るようになっていた」バンビの部全国3位 川口陽陽・陽向親子の成長と葛藤

卓球場経営者の子どもは、強い。
概ねそれは正しいのだろう。

しかし、卓球台があるだけで強くなるわけではない。
自身も知る“卓球修羅の道”の日々を、共に歩む覚悟をすることでもある。

YOYO TAKKYU。
東京の東中野と西日暮里に2店舗を構え、独立系の民間卓球場として、卓球界に知られた存在である。

代表・川口陽陽さんの息子、川口陽向くん(8歳/小学2年生)は、2022年8月に開催された全農杯全日本ホカバのバンビの部(小学2年生までが出場)で3位に入賞した。

「陽向くんの頑張りはもちろん、民間卓球場として、いろんな“これから”に挑戦されている姿勢に共感しています」
YOYO TAKKYUのスポンサーのひとつ「みんなのおもいで.com」を展開する株式会社ハッピースマイルの佐藤堅一社長も、そのチャレンジ精神に寄り添う。

いま、親子は何を思い、日々の練習に取り組むのか。話を聞いた。


写真:川口陽陽、陽向親子(YOYO TAKKYU)/撮影:ラリーズ編集部

卓球場の拡張が契機だった

――陽向くんが卓球を始めたのは何歳からですか。
――3歳からですね。きっかけはわりと覚えていて。

東中野の卓球場を隣に拡張する2017年12月31日、オープン前の卓球場に行って、家族でボール遊びをしたんですよ。

それが陽向はすごく楽しかったみたいで、それから“卓球場行きたい”って言うようになって、散歩コースに卓球場が入って。

場所がきっかけでしたね。

――卓球場を持つ一家ならではですね。
――その後、妻がジュニアコースのコーチに復帰すると、実際、陽向を卓球場で見るしかないので。

生徒さんのお兄ちゃんお姉ちゃんたちに可愛がってもらって、という感じでしたが、僕はまったく卓球は教えていませんでした。

永遠に勝てないんじゃないか

――陽陽さんが本格的に指導し始めるきっかけは。
――一応、試合も出てみたんです。

すると、1ゲームのうち90%くらいサービスミスしてしまうんです。サービスは練習していたのに。

すごく悔しかったんですよ。

“勝てなくてもいい、せめて練習したことはしっかりできるように”って。そこで僕は最初のスイッチが入りました。

そのまま卓球場に戻って、100球連続で入るまでサービス練習しました。

でも、その後も一年くらいは試合で全然勝てませんでしたね(笑)。

――両親とも卓球選手なわけで、子どもにその才能を感じるものですか。
――いや、わからないですよ。

永遠に勝てないんじゃないかと思ってました(笑)。

3歳で始めると、常に2、3歳上の子どもたちと試合をするので、力の差は圧倒的なんですよ。

この頃は陽向がサービス出す、パーンと打たれる、陽向はボール拾いに行かず、ただ立ったまま見てましたからね(笑)

――立ったままじゃないよ、踊ってたんだよ。
――もっと謎(笑)。

川口陽向
写真:川口陽向/撮影:ラリーズ編集部

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