なぜ松島家は強くなるのか 独自の「立体的な卓球」の秘密に迫る
なぜ、松島家は強くなれるのか。
後編は松島家の父・松島卓司さんが指導で意識する「立体的な卓球」について、詳しく話を聞いた。
写真:田阪卓研/撮影:ラリーズ編集部
卓球における“男子の女子化”
――男子と女子の違いで悩む指導者が多い気がしますが、松島家はなぜ男女関係なく育成できるのでしょうか。
松島卓司:精神面、体格、パワーの3つは、男女で違うと思います。
輝空の場合は“よっしゃ、根性!”とかで通じたんですが、やっぱり美空はちょっと僕が強く出ると、もうあっち向いて、僕がイライラしたり。この一年くらいは、根性論を言うと“熱い、めんどくさい、キモい”とか(笑)。
でも、僕の考えでは、卓球という部分では、男女を変えたくないんです。女子だからこういう卓球、男子だからこういうプレー、とは全く思わないんですよね。
――でも、実際、男女で違いますよね。
松島卓司:例えば、今から十何年前、輝空が卓球を始めた頃、僕は絶対にバックハンドの時代が来ると思っていました。当時男子はまだオールフォア中心で、女子は既にバックハンドを使っていたので、わかりやすく言えば、男子が女子化するだろうと。
ただ、いつでも回り込めるという準備は必要で、そのためのフットワーク力はつける必要がある。でも、試合の中では無理矢理回り込む必要はないよ、だって回り込んだらフォアサイドが空いちゃうから。バックの威力を上げれば良いだけ、と輝空に言いました。
写真:松島輝空/撮影:ラリーズ編集部
松島卓司:現状を一生懸命追いかけても、やっぱり中国のほうが一歩進んでいるから、将来中国と渡り合おうと思ったら、5年後10年後を考えながら育てないといけない。
新しい技術が出てきたとしても絶対対応できるようにしておかないと、といつも思いながら育ててきました。
松島家の卓球の特徴は“立体的”
――男女関係なく松島家の選手は、前中後陣どこからでも打てる印象があります。
松島卓司:男の子のほうが、立体的にイメージできる部分はあると思います。前後の動き、下がったり前に出たり、ロビングしたり、というのがある程度理解できるんですけど、女子は平面で見る傾向があります。
でもそれだと卓球が狭くなってしまうので、美空にはなるべく立体的に見るように、というのは言ってますが、まだ難しいですね。
――卓球を立体的にする練習ってどういうメニューなんですか。
松島卓司:輝空に比べて、前後に動く練習とか、ボールを高く打つ低く打つ、とかの練習を多く取り入れてますね。
写真:松島美空/撮影:ラリーズ編集部
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