【卓球】世界ランク2位・王楚欽が約2年ぶりに日本人選手に敗北 2年前に勝利した張本智和ではない日本人選手とは?

WTTチャンピオンズ横浜男子シングルス決勝で、卓球日本代表の張本智和(トヨタ自動車・世界ランキング4位)は、中国代表の王楚欽(ワンチューチン・同2位)に勝利して、優勝を飾った。

この王楚欽は、日本代表にとって“天敵”のような選手で、王楚欽に勝利した日本人選手は数えるほどしかいない。これまで数十回は対戦している張本ですら、今回の勝利で3度目の勝利である。

ちなみに、そんな王楚欽が日本人選手に敗れるのはこれが2年ぶり。だが、2年前に王楚欽に勝利した選手は張本ではない。

では、いったい誰なのか?

当時・世界ランク73位で王楚欽に勝利

2年前に王楚欽に勝利した選手とは、田中佑汰(金沢ポート・同34位)だ。

2023年9月に開催されたアジア選手権男子シングルス2回戦で、田中は王楚欽と対戦。今でこそ世界ランキングTOP50に入っている田中だが、当時の世界ランキングは73位と、世界的に見れば無名の選手であった。

さらに、同大会は田中にとってシニアの日本代表として挑む初の国際大会と、実績・経験ともに王楚欽が大きく上回っている状況であった。

しかし、そんな下馬評を田中は覆し、ジャイアントキリングを成し遂げた。この勝利は当時大きな話題となり、その後田中は同大会ではベスト8まで勝ち上がる快進撃を見せた。

ちなみに、張本が前回王楚欽に勝利したのは、2022年の世界選手権成都大会男子団体決勝。この試合では張本が王楚欽に加え、パリ五輪金メダリストの樊振東(ファンジェンドン)を立て続けに破るという、田中同様、ドラマチックな展開を見せてくれた試合でもあった。

樊振東、馬龍(マロン)といった五輪金メダリストが国際大会から退き、“絶対王者”と言われていた中国代表の弱体化も叫ばれているなか、今回の勝利は間違いなく、3年後のロス五輪に向けて大きな希望となることだろう。

文:和田遥樹