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開幕3連敗からファイナル優勝 彩たま・水野監督「ファンの皆さんと戦えて本当に嬉しかった」<卓球・Tリーグ2024-2025男子ファイナル>

<卓球・ノジマTリーグ2024-2025シーズン男子プレーオフファイナル 日程:3月23日 場所:代々木第二体育館>

3月22日から23日にかけて、ノジマTリーグ2024-2025シーズン男子プレーオフセミファイナル、ファイナルが開催された。

23日には、男子プレーオフファイナル、琉球アスティーダVST.T彩たまの試合が終了し、T.T彩たまが優勝した。

試合終了後に、T.T彩たまの水野裕哉監督、有延大夢の2名が報道陣の質問に回答した。

水野裕哉監督 コメント

レギュラーシーズンを振り返って

レギュラーシーズンも優勝を目指していましたが、最後にヴィクトリーマッチに負けて2位だったことが非常に悔しかったです。良かった部分もありましたが、やはり優勝できなかった悔しさの方が強く、そこでもう一度チームで話し合い、残りの試合を全力で戦おうと決意しました。

プレーオフ優勝の要因は?

代々木の体育館が(ホームである埼玉から)近かったこともあり、関係者やファンの皆さんが大きな応援をしてくれました。

元々埼玉のチームに愛着を持っていたこともあり、ファンの皆さんと一緒に戦えたことは本当に嬉しかったです。そこでベストが出せて良かったです。

今日のオーダーについて

(事前に開示していた3番の有延の相手としては)吉村選手か張本選手のどちらかが来ると思っていました。もし吉村選手が来るなら、2番に張本選手が来るのは予想していました。

有延に関してはレギュラーシーズンで1回吉村選手に負けてるので、そこは逆に相手がちょっとプレッシャーに感じたのかなとは思います。

初めての監督としてのシーズンを振り返って

監督として初めてのシーズンで、どういう形で進めればいいのか手探りの部分もありましたが、町田コーチと一緒に様々なことを考えました。

最初は3連敗しましたが、そこから立て直し、選手の成長も感じることができました。優勝はもちろん嬉しいですが、(選手が)人間的に成長する姿を見られたことが一番の喜びです。

応援の力について

応援は本当に力になりました。試合中も支えになり、選手のパフォーマンス向上にもつながったと思います。本当に感謝しています。

どの試合が一番印象に残っているか?

2番の試合で曽根が張本選手に対して接戦を繰り広げたことが大きかったです。ストレートで負けるよりも、接戦に持ち込んで勢いをつけたことが、その後の試合に影響を与えたと思います。

琉球の選手の中で印象的だった選手は?

吉村選手です。僕の引退試合の相手でもあり、高校の後輩でもありますからね。

注目されるのは張本選手や篠塚選手だと思いますが、T.T彩たまの選手が琉球に勝てなかった要因の一つが吉村選手の存在でした。だからこそ、吉村選手に勝てたことが今回の大きな勝因の一つでした。

吉村選手の強さに関して

30歳くらいになると、若手のスピードプレーとベテランの緩急を使ったプレーのバランスが重要になります。ベテラン選手ならではの緩急のつけ方や試合運びの巧さが際立ち、そこが強みだと感じます。

シーズン序盤と中盤以降で変えたことはあるか?

基本的には大きく変えたことはありません。ただ、ダブルスが勝てれば7割はチームも勝てると考えていました。序盤はダブルスを取れてもシングルスで負けることが多かったですが、ある試合でシングルスでの勝利をきっかけに勢いがついたと思います。

監督としての選手との向き合い方について意識していることはあるか?

僕はTリーグの監督を務める前に、戸上隼輔(井村屋グループ)のコーチをしていたのですが、強い選手というのは基本的に自分の考えを強く持っています。その中で、選手が自分の意見とこちらの意見をどう受け入れるかというのは、とても難しい問題だと思っています。

選手は、指導者を信用できないと話を聞いてくれません。そこで、僕は選手と積極的にコミュニケーションを取ることを意識しました。

特に曽根、小林、木造の3人は元々僕がコーチをしていたわけではないので、他の選手に比べて会話の機会が少なかったと思います。だからこそ、彼らとは毎晩のように食事に行き、練習中も常に「こうしたらどうか」と声をかけるように心がけました。

特別なことをしたわけではありませんが、選手に信用してもらえるように積極的にコミュニケーションを取ることが、一番大きなポイントだったと思います。

今後の目標について

今回の優勝は勢いや戦術がうまくハマった部分もありましたが、決して簡単に2度目の優勝ができる世界ではないと思います。もう一度チームを作り直し、レギュラーシーズンでも優勝できるように取り組んでいきたいです。

有延大夢 コメント

試合までに意識していたことはあったか

試合が終わった後、課題を振り返りながら少しずつ修正し、次の試合に向けて改善していくことを意識していました。シングルスでもダブルスでも、試合を重ねるごとに成長を実感できました。特に、試合ごとに悪かった部分を分析し、どうすれば良くなるかを考えながら日々練習に取り組めたのが良かったと思います。

また、僕も30歳になり、1年間を通して体のケアを徹底してきました。多くのトレーナーやスタッフのサポートを受け、それをうまく自分のパワーに変えることができたと感じています。

試合の中でポイントになった場面は?

写真:有延大夢/小林広夢(T.T彩たま)/撮影:ラリーズ編集部
写真:有延大夢/小林広夢(T.T彩たま)/撮影:ラリーズ編集部

今季はダブルスとシングルスの両方で多くの試合に出場しましたが、レギュラーシーズンで2点落とした試合は1試合だけでした。その試合が、今日対戦したダブルスのペアと吉村選手との試合で、特に悔しい思い出として残っています。

だからこそ、試合前にオーダーを聞いたときに正直、不安や怖さがありました。でも、ダブルスで小林選手と助け合いながら勝利できたことで気持ちが楽になり、シングルスでは思い切った戦術を仕掛けていくことができました。ダブルスでの勝利が、シングルスに向けての大きな後押しになったと思います。

吉村選手の印象は?

中学・高校時代からともに練習してきた選手で、五輪でメダルを獲得した素晴らしいプレーヤーです。お互い手の内を知り尽くしているので、何をやっても通じない場面もあり、本当に難しい試合でした。

ただ、「これをやるしかない」と割り切って戦術を実行できたことが、今日の試合の良かった点だと思います。

写真:吉村真晴(琉球アスティーダ)/撮影:ラリーズ編集部
写真:吉村真晴(琉球アスティーダ)/撮影:ラリーズ編集部

具体的にどのような戦術を意識したか?

吉村選手は非常に器用な選手で、何でもこなせるタイプです。そのため、サーブやレシーブの選択肢を絞ることを意識しました。特にサーブはバック前を中心に出し、相手に自由に攻めさせないようにしました。

また、強い回転のボールを使うと、逆に強烈な回転で返されるので、相手のレシーブを抑え込むことを意識していました。

移籍初年度のシーズンでここまで勝ち進めた要因は?

最終的に優勝という結果を収めることができましたが、シーズンのスタートは本当に厳しかったです。チームは開幕3連敗を喫し、苦しい状況が続きました。

そんな中、監督が僕に対して大きな期待をかけてくれました。「この試合で2点取ってくれ」というプレッシャーはありましたが、それが逆に原動力になりました。試合のときには「負けても仕方ない」と監督が言ってくれたことで、思い切ってプレーすることができました。

その期待に応えたいという気持ちが、日々の練習に良い影響を与えたと思います。

今後の目標についてはいかがですか?

正直、今はまだ何も考えられないですね。「やっと長いシーズンが終わった」という感覚です。少し落ち着いたら、改めて目標を設定し、また一からチームとともに取り組んでいきたいと思います。

文:ラリーズ編集部

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