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ペトラ・ソーリングITTF会長が語る、卓球を“みる”人口を増やすための解決策とは

WTTチャイナスマッシュの開催期間に、ITTF会長のペトラ・ソーリング氏にインタビューを実施した。

ペトラ・ソーリングITTF会長 インタビュー

ITTFとWTT関係性について再度説明いただけますか?

ITTFは100年以上の歴史があり、200以上の国・地域が加盟している世界でも最も大きいスポーツ組織の一つです。WTTは卓球の大会をより多くの人に見てもらい、よりエンターテイメント性を持たせた大会にするためにできた、ITTF傘下の組織です。

さまざまな大会を開いて卓球の競技力を向上することはもちろんですが、ソーシャルメディア、卓球大会と同時に行うイベントの開催などを通して、より人々に卓球を届けるための活動をしています。

WTTがこの数年で達成していることについてどう思われますか?

このチャイナスマッシュを見てもわかるように、より多くの人が会場に足を運ぶようになり、卓球の試合がよりエキサイティングなもの、熱狂できるものになっているように感じます。

ただ卓球の試合を見せるだけではなく、試合中の演出、会場の雰囲気、会場周りのイベント開催、ファンとの交流機会の提供など、よりエンターテイメント性を持たせ、新しい卓球の楽しみ方を提供できていると思います。

WTTはヨーロッパや中東、アメリカ大陸など、卓球があまり盛んでない地域でも開催している印象です

その地域の卓球を盛り上げることが大きな目的です。もちろん、卓球人口が少ない国でも国際大会に出場するようなアスリートが生まれたり、ITTFに加盟をしている国も数多くあります。

世界中で大会を行うことで卓球に触れる機会を提供し、この卓球という素晴らしいスポーツを広めるきっかけを作りたいと思っています。

ITTFは健康のための卓球など、生涯を通して卓球に触れ合う機会を提供していますよね

私自身、卓球は最強のスポーツだと思っています。特に「健康」という面で卓球が人々の幸福にもたらす影響は非常に大きく、卓球という人生を豊かに過ごすための1つのツールを、もっと広げていきたいという思いがあります。

そのため、ITTFでは競技力の向上以外にも、パーキンソン病の方々に向けた大会を運営したり、ワールドマスターズの大会など、生涯を通して卓球を活用した幸せな人生を送れる場を提供したいと思っています。

日本では卓球を「やる」人々はすごく多いのですが、卓球を「みる」カルチャーはまだあまり浸透していません。中国のファンのように、卓球を見ることにも楽しみを感じてくれればさらに盛り上がると思うのですが、そのためには何が必要だと思いますか?

もちろん「自身がプレーする」卓球もとても価値があるのですが、「みる」卓球は、家族・仲間と一緒に盛り上がれたり、選手の勇姿を見て感動できたり、たくさんの楽しみがあるものだと思っています。

卓球を見てもらうようにするためには、卓球の試合が1日のイベントになると良いと思っています。例えば、サッカーを見に行くとき、「今日はサッカーを見に行く」となりますよね。試合は90分間だけなのに、1日をその周辺で楽しんだり、終わった後に観戦の感想を語りながら食事をしたり、1日楽しく過ごすことができます。

卓球も一緒で、試合は30分程度かもしれないけど、その周りに遊べる施設を用意したり、人々を惹きつけるイベントを行なったりすることで、卓球を見たことがない人でも楽しめるイベントになるはずです。

選手サイン会の様子

30以上の飲食店が集まるブース

30以上の飲食店が集まるブ

ゲームなどで賑わうエリア

以前、私の母国スウェーデンでWTTを開催したときは、卓球がそんなにメジャーな国ではないのでお客さんが集まるか不安でした。しかし、多くの楽しめるものを設置し魅力的なイベントにすることで、多くの観客が集まってくれました。

なので、「卓球」に固執せず「人々を惹きつけるイベント」を目指し、最終的に卓球を見てくれるファンが増えるという流れをWTTでは実践し、成功しているのだと思います。

文:ラリーズ編集部

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