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社会人の成熟とは“悔しさと充実の置き場所”を知ること 全日本社会人卓球選手権総括

<第56回全日本社会人卓球選手権大会 日時:10月28日~30日 場所:長野・ANCアリーナ(安曇野市総合体育館)>

30日、全日本社会人選手権(以下、全日本社会人)が閉幕した。

ハイレベルな日本卓球の現在地を目の当たりにする一方、かつての日本卓球界を支えた「全日本社会人選手権」という枠組みも、時代に合わせて変わるべき時期に入っているのかもしれないと思った。

学生か社会人か、という定義よりも、いま私たちの社会も卓球界も、よりシビアで現実的な区分けの中で生きている。
学生も起業して納税する時代だ。成年年齢も18歳に引き下げられた。
Tリーグにもこれだけ多くの学生選手が参加している。

一方で、選手が早期専門化していく卓球界の中で、“いい年した”社会人が多くの困難を乗り越えて勝利を目指す姿にも胸を打たれる。
せっかくの全日本社会人選手権が、より確かな位置を確保するにはどんな変化があると良いのだろうか。

そんなことを思いつつ、今大会3位の選手たちのコメントが含蓄のあるものが多かった。
社会人の成熟とは、案外“3位の悔しさと充実の置き場所”を知っていくなのことなのかもしれない。

村松雄斗(La.VIES)

写真:村松雄斗(La.VIES/千葉)/撮影:ラリーズ編集部

今大会3位という結果でした

優勝したかったので悔しいですが、上田さんに完璧なプレーをされたので、さすが強いなと思いました。ただ、僕は全国大会の表彰台に上がったのも久しぶりなので、いま日本はとてもレベルが高いので、その中で3位になれたのは今後に繋がる結果かなと思います。

ドイツ・ブンデスリーガでプレーしている影響はあるか

(所属していた)東京アートがなくなって、守ってくれるものが何もないのが、いまのところは逆に、いい方向に働いていますね。結果を出さないと厳しい世界なので常に試合は緊張しますし、つらいことのほうが多いんですが、選手である限りはベストを尽くして頑張りたいと思います。

吉田雅己(木下グループ)

𠮷田雅己(木下グループ)
写真:𠮷田雅己(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部

今大会を終えて

3位まで行くことが最低目標だったので、満足はしてませんが役目は果たしたかなと思います。

木下グループではコーチ兼任という立場だが

コーチ契約しているにも関わらず、Tリーグが始まってからは今は選手として専念させてもらってるので、逆に頑張らないと、という思いです。

(木下アカデミーで)教えている子たちが(奈良県で開催中の)全日本カデットで頑張って優勝したりしているので、コーチの僕が頑張らないでどうするという思いもありました。

苦しい試合を勝ちきっての3位でした

強い選手が揃う中で、ベスト8にTリーガーや海外でやっている選手が今回は多く残っていました。やっぱり負けられない、というプライドは僕も持っています。

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