
Tリーグ初の個人戦となる「Tリーグ NOJIMA CUP 2022」が8月13日~14日にかけて行われた。世界で活躍する張本智和(琉球アスティーダ)や丹羽孝希(岡山リベッツ)など名だたる選手が参戦するTリーグだが、今、大学生の年代の活躍が注目されている。元全日本王者の藤井寛子さんに聞く。(取材・文/二株麻依)
ダントツは全日本Vの戸上・宇田
戸上隼輔(明治大学/琉球アスティーダ)・宇田幸矢(明治大学/琉球アスティーダ)
藤井寛子(以下、藤井):男子は期待できる選手がとても多いんですよね。戸上君と宇田君はダントツで、ナショナルチームの本メンバーにも入っています。2人とも、超攻撃型ですよね。カウンターも上手だし、直線的な軌道の攻撃ができるのが、世界の中で相手が怖れる卓球なのかなと思います。もちろんまだ粗削りな部分はありますが、ここ1、2年で、自分たちが今度、日本を引っ張っていかないといけないという自覚や、周囲の期待を感じながらやっていて、波はありますが、全日本優勝をお互いしてたり、世界選手権でもダブルスで成績を出してきたりしているので、自信と経験が積み重なっていけば、世界を代表する選手にもなっていけるでしょう。日本を引っ張っていってくれる選手になる2人なのかなとも思いますね。
次に続くは名電出身勢 曽根・篠塚・濱田
曽根翔(T.T彩たま)・篠塚大登(愛知工業大学/木下マイスター東京)
藤井:戸上君、宇田君の次に続くのが、曽根翔君、篠塚大登君だと思います。2人とも強豪の愛工大名電出身で、この子たちも合わせて、この世代は本当に今実力者揃いだと思います。2人とも愛工大に進みましたが、曽根君は今年6月に中退して、Tリーグの「T.T彩たま」に3年間のプロ契約をしてもらいました。それから卓球場をお父さんと作ったそうです。もう大学生じゃなくて、プロの卓球選手としてやっていくという決意をもって、これから卓球に関わっていくのかなと思います。Tリーグの中で成長した選手の1人でもあって、張本君に勝つこともあるんですよ。曽根君も篠塚君も現代卓球って感じで、チキータの技術がすごいです。篠塚君はボールタッチがすごく良いですね。元日本代表監督の倉嶋洋介さんが「水谷2世」って言ったぐらい、期待がかけられている選手です。
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濱田一輝(早稲田大学/琉球アスティーダ)
藤井:あと濱田一輝君にも注目しています。名電を卒業すると愛知工業大学に進みがちですが、濱田君は早稲田大学を選びました。おばあちゃんが世界チャンピオンでご両親が全日本チャンピオンという家系です。卓球は両ハンド(フォアもバックもしっかり振るスタイル)で、堅実なプレーで確実に得点しにいく選手です。何でもできますが基礎力がすごく高くて、しっかり足を使って動くタイプです。バックで振っていても、足を使って回り込んで自信のあるフォアで攻めていくパターンですね。サービスもすごく良くて、短いサービスと長いサービスが相手は分かりにくいらしく、そこからチャンスを作ってフォアでガッと攻めていくタイプですね。(続く)
写真提供:Rallys
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■プロフィール
藤井寛子(ふじい・ひろこ)
1982年生まれ。奈良県出身。両親が主宰する卓球クラブで卓球を始める。四天王寺高等学校、淑徳大学を卒業後、日本生命保険相互会社に入社。全日本選手権女子ダブルスで5回の優勝、シングルスでは3回の準優勝の経験がある。現在はYOYO TAKKYU西日暮里店のコーチとして活躍。オリンピックなどのテレビ中継で、解説者を務める。
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