• HOME
  • 記事
  • 卓球
  • 【アジア卓球選手権-前半戦プレイバック】パリ五輪期待の“女子黄金世代”や日本のエース“はりひな”が中国勢に屈す

【アジア卓球選手権-前半戦プレイバック】パリ五輪期待の“女子黄金世代”や日本のエース“はりひな”が中国勢に屈す

来年のパリへ残された宿題

写真:早田ひな(提供:ITTF)

写真:早田ひな(提供:ITTF)

そんな大一番で1番手に指名されたのが今や日本のエースと呼べる早田。孫穎莎を相手に力が試されたが、第1、2ゲームを失うと、第3ゲームでは白熱の勝負を展開。しかし、最後は12ー14でこのゲームも落とし、0ー3で敗れた。続く平野は陳夢相手に第1ゲームでは主導権を握り、11ー7で奪い切る好スタートを切った。今季は孫穎莎撃破にも成功している平野の戦いには期待が高まったが、第2ゲーム以降は陳夢に試合を支配される展開に。第2、3ゲームを連続で落として逆転を許すと、そのまま1ー3で敗れた。 3番手の伊藤は世界ランク4位の陳幸同。過去2大会で五輪のメダルを獲得し、黄金世代の中でも屈指のキャリアを築いてきた伊藤にとっては「打倒中国」は五輪などの国際大会と並び掲げ続けているテーマ。そんななかで団体戦の最後を任されたが、流れに乗ることはできずに0ー3で敗れた。男子と同じく中国の前に屈した女子チームがここからどのような成長曲線を描き中国チームに立ち向かっていくのか。選考1位を独走しパリ行きへ近づく早田、2位で続く平野、3位で平野を追う伊藤という3人によるチームが来年のパリでも結成されるのかも含めて期待が集まる。

“はりひな”は中国ペアに屈す

写真:早田ひな、張本智和(提供:ITTF)

写真:早田ひな、張本智和(提供:ITTF)

また、団体戦と並び来年のパリ五輪ではメダル獲得が期待されるのが混合ダブルス。前回の東京大会では伊藤と水谷隼のペアが金メダルに輝くなど、日本の得意種目と呼べるなかで今回エントリーしたのが張本智和、早田ひなによる“はりひな”ペア。現在の男女のエースと呼べる2人は来年の五輪選考レースで独走し、パリ行きは現実味を帯びる。そのなかで国際大会でも実績を残すこの2人よるペアは打倒中国を成し遂げての金メダルが期待できるレベルにある。 そんななかで挑んだ今大会は、5日の2回戦でインドのペアに3ー0でのストレート勝ち、続くラウンド16の戦いでもモンゴルペアを寄せ付けずストレートで勝ち進んだ。準々決勝で立ちはだかったのが団体戦に続いての中国勢。林高遠と王芸迪によるペアと対峙した張本、早田ペアは互角の勝負を演じたものの、第1ゲームを10ー12、第2ゲームを11ー13で僅差で落とす。その粘りは第3ゲームまで続かず、7ー11で落としメダル獲得を逃した。

アジア競技大会でリベンジなるか

今大会の前半戦を振り返ってきたが、ここまでは日本の最大のモチベーションである“打倒中国”という言葉が重くのしかかる結果となってしまった。それでも、シングルス、ダブルスの戦いを残しており、9月後半にはアジア競技大会で再び中国勢との対戦は十分に考えられる。張本や早田、平野などは同大会でもリベンジの可能性があり、今大会での教訓を経てどのように修正を図っていくのかは期待したい。 パリ五輪へ向けても重要な位置付けを占める「アジア卓球選手権」。団体戦や混合ダブルスでは打倒中国を果たせなかった日本勢が今大会の後半戦、そしてアジア競技大会へと続くアジア決戦でどのように個人、チームとしての能力を高め、飛躍を果たしていくのか。中国に次ぐ存在として立ち位置を確立する日本勢のさらなる覚醒には注目だ。

関連記事