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初心者がやりがちな良くないグリップ|頭で勝つ!卓球戦術

卓球プレーヤー向け 初心者がやりがちな良くないグリップ|頭で勝つ!卓球戦術

2022.07.05

水谷隼愛用のマッサージガン 卓球で疲れた腰や下半身にこれ1台で全身リフレッシュ水谷隼愛用のマッサージガン 卓球で疲れた腰や下半身にこれ1台で全身リフレッシュ 文:若槻軸足(卓球ライター)

卓球ライター若槻軸足がお届けする「頭で勝つ!卓球戦術」。今回は「初心者がやりがちな良くないグリップ」というテーマでお伝えしておこうと思う。

卓球のラケットはおおまかにはペンホルダーとシェークハンドの2種類だ。ペンホルダーはペンを握るように、シェークハンドは握手をするように握ることから名前がつけられている。その中でも細かなグリップ(握り方)は選手それぞれ千差万別。プレースタイルに応じて様々なグリップがあるため、「絶対にこうでないといけない」という正解のグリップはない

ただし、「上達するにはそれはよくないだろう」というグリップは存在する。ラケットを握りたての選手がやってしまいがちな悪いグリップもこれまで多く見てきたが、悪いグリップのまま強くなっていった選手はほとんどいない。なので指導者の方は、「その握り方はよくないよ」と指導できるようになっていただきたい。

このページの目次

  • [5 若槻軸足が書いた記事はこちらから]()

初心者にありがちな良くないグリップ(シェークハンド編):人差し指が立っている

初心者に圧倒的に多いのが、いわゆる「一本差しグリップ」である。

シェークハンドのグリップは人差し指だけ伸ばす形だが、伸ばす方向は他の3本の指に沿って真っ直ぐ伸ばすべきとされている。ここで良くないのが、人差し指だけがラケットの先端方向へ向いてしまっている状態だ。それを指摘しても、打ちながらだんだんと指が立っていく選手もいるし、自分で気付かずにそうなってしまう場合もある。

人差し指が立ってしまう原因としては、そうすることでフォアハンドのラケット面が安定するからであろう。打球面の後ろを指でしっかりと支えることでラケット角度が安定し、よりインパクトを強くできるのだ。

だがしかし、この握り方だとドライブは相当やりづらいはずだ。打球面の後ろを支える場合、スマッシュのようなフラットに「叩く」動作はできても、ドライブのように「擦り上げる」動作はかなりやりづらい。人差し指が立っている選手はほぼ間違いなく、「叩く」あるいは「押す」動作で打球しているはずだ。いわば、「ねこパンチ」のようなフォアハンドを打つ選手になってしまうわけだ。

そして、当然これはバックハンドにも影響してくる。人差し指を伸ばしたままのグリップでバックハンドを打とうとすると、ボールが指に当たってしまってミスが多くなる。仮に握り変えて調整したとしても、その握り変えに時間を要するため、スムーズなフォアバックの切り替えしができるとは到底思えない。

卓球を始めたての時期にこのグリップを習得して癖づいてしまうと、それを矯正するのは相当時間がかかるうえに、本人にも過大なストレスがかかるだろう。なので、もしこのグリップを発見した際には早期に指摘し、治るまでしっかりと向き合ってあげるようにしたい。

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           ## 初心者にありがちな良くないグリップ(ペンホルダー編):後ろの3本指が伸び切っている

これもよくありがちな初心者の握り方である。シェークハンドの選手がペンホルダーを握るときも、このグリップのケースが多い。

ペンホルダーの場合は、中指、薬指、小指でラケットの裏面を支え、指をそろえて軽く曲げるのが基本的なグリップになる。裏面にラバーを貼っていてバックハンドを重視するか、フォアハンドを重視するか、といった点も絡んではくるが、基本的には先述した指の形が良いとされている。しかし、それを3本の指をすべて伸ばし、指の腹がラケットに接するグリップになってしまうと最悪である。

こうなってしまう要因としては、シェークハンドと同じでフォアハンドを打つ際に面が安定するから、ということが考えられる。当然、スマッシュなどの叩く系の技術はやりやすい。しかも、ペンの場合はこのグリップでもある程度擦り上げる動作もできてしまう。これがまたやっかいなところだ。実際に、このグリップで強烈なドライブを打つ選手もまれにいる。

だが、これも決しておすすめしないグリップである。なぜならば、このグリップでは台上の細かい技術が全くできないからである。

バックハンドで威力が出しにくいペンホルダーがシェークハンドよりも優れている点は、なんといっても台上の細かいプレーだ。強烈なフリック、相手の逆をつく流し、繊細な感覚でビタ止めするストップ。そのいずれもがこのグリップではできない。せっかくのペンの長所を自ら殺してしまっているのに、おすすめできるわけがない。むしろ、このグリップにしてしまうと台上技術はシェークハンドよりもやりにくいだろう。

そしてこのグリップでは表面でのバックハンド、つまりショート系の技術も難しくなる。手首が回らないため、適切なラケット角度が出せないのだ。このグリップが癖づいてしまっている選手は、なぜその状態でここまで来てしまったのかと不憫にすら思えるほどだが、もしかしたら指摘してくれる人が周囲に居なかったのかもしれない。

これから少しずつでも矯正できることを願う。

まとめ

いかがだっただろうか。今回は初心者にありがちな良くない握り方というテーマでお伝えしてみた。

これらは、たとえ卓球の経験がなくて技術を教えられない指導者であっても、「知識」レベルの話なので指導することは可能なはずである。ぜひそういった指導者の方にも、今回の記事に当てはまる選手がいないかチェックして頂き、見つけたら早々に教えてあげるようにして頂ければと思う。

悪いグリップでは強くなれないのだ。

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>>『頭で勝つ卓球戦術』シリーズ著者・若槻軸足が社会人で全国5回でられたワケ

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