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卓球インタビュー [PR] 「本気の人にしか見えない景色がある」“卓球応援”企業の社長は元自衛官
2022.06.08
この記事を書いた人 槌谷昭人1979年生まれ。テレビ/映画業界を離れ2020年からRallys編集長。
軽い小咄から深堀りインタビューまで、劇場体験のようなコンテンツを。
戦型:右シェーク裏裏 @tsuchito スポンサー募集、という言葉をよく聞くようになった。プロチームから、一個人まで。
でも、スポンサーになりたい、という声は稀だ。
「執念、でしょうか」男は爽やかに笑う。
スポンサー探しの、ではない。
スポンサーするための、である。
「あまりにこちらから働きかけるので、最初は怪しまれることもあります」
爽やかに笑うのは、株式会社ハッピースマイル代表取締役社長、佐藤堅一氏である。
開幕シーズンからT.T彩たまのスポンサーを務め、現在は松島輝空はじめ松島家のスポンサーも務める他、卓球YouTuberのユージくん、先日からは卓球場YOYO TAKKYUへのスポンサーも始める。
写真:佐藤堅一氏(株式会社ハッピースマイル代表取締役社長)/撮影:槌谷昭人佐藤氏自身が卓球選手だったわけではない。
陸上自衛隊を8年勤め上げた、元自衛官である。
なぜ、卓球を支えるのか。
スポンサーを決める判断基準は何なのか。
これは現代卓球界における、スポンサーによるスポンサー論である。
このページの目次
- [11 取材を終えて]()
「みんなのおもいで.com」とは
佐藤氏が2008年に埼玉県内で創業した株式会社ハッピースマイルは、写真代行販売サービス「みんなのおもいで.com」を運営している。
全国の幼稚園・保育園を中心に現在6,000ヶ所以上で幅広く利用されており、卓球界では、卓球スクールでの子どもの様子やオフショットなどを、WEB上で気軽に閲覧・購入できるサービスとして、全国の卓球場を中心に導入が進む。
写真:みんなのおもいで.comのトップページ/提供:株式会社ハッピースマイル
佐藤氏が卓球に関わる契機は、2017年。
Yahoo!ニュースのとある記事に目が止まった。
“日本の卓球プロリーグ、Tリーグ創設”、記事には埼玉県でもチーム発足予定とあった。
「埼玉で起業したこともあって、地元に恩返しできないかなと考えていたときでした。これから始まるプロスポーツチームを応援し一緒に盛り上げていける、これだと思いました」
写真:Tリーグファーストシーズン開幕戦/撮影:ラリーズ編集部## 「まだ何も決まってなくて…」
記事には、問い合わせ先の記載はなかった。
こういうことは、きっと協会に聞けばわかるはず。
電話番号を調べ、日本卓球協会に電話を掛けた。
「スポンサーになりたいんです」
「いや、まだ何にも決まってなくて。とりあえず明日担当者から電話させます」
「明日の何時頃でしょうか」
「え、ではお昼頃に」
「お昼というのは、12時という認識でよろしいでしょうか」
翌日12:00に電話がないことを確認し、12:01に佐藤氏から電話を掛けた。
まるで、スポンサーを獲得する側の積極性だ。
しかし、佐藤氏は、まだ立ち上がったばかりのTリーグのチームスポンサーに手を挙げた側なのだ。
写真:佐藤堅一氏(株式会社ハッピースマイル代表取締役社長)/撮影:槌谷昭人## 「これから」を応援したい
T.T彩たまの担当者がやってきた。
まだ何にもないんですが、と申し訳なさそうにしつつ、まっさらなユニフォーム案を広げた。
それは佐藤氏にとって、未知数の不安ではなく、未来に広がる選択肢に見えた。
「“これから”にワクワクするんです。卓球というスポーツも、チームもこれから。いま有名なものより、未来のために懸命に頑張る人やチームを応援したいんです」
写真:T.T彩たまユニフォーム左胸にある「みんなのおもいで.com」ロゴ/提供:T.LEAGUE/アフロスポーツあと、と笑って付け加えた。
「埼玉にはプロ野球やJリーグチームもありますが、このロゴスペースが空いたのでどうですかというお話ばかりで、“余りもの”感があって。私は、一番乗りで手を挙げて、全ての選択肢の中で自分が決めたい性格なんです」
選択肢はたくさんあってほしい。
その思想は、みんなのおもいで.comサービスにも通底するものなのだが、それは後ほど。
松島家へのスポンサーの場合
“これから”を応援したい、という文脈で考えると、松島家へのスポンサードも頷ける。
「松島輝空選手がパリ五輪を目指すというのは、松島一家の夢でもあるんです。そして4人のお子さんそれぞれが高いレベルで頑張っている。ならば、ぜひ一家を応援させて頂きたいなと」
写真:松島輝空(木下グループ)の左胸に「みんなのおもいで.com」ロゴ/撮影:ラリーズ編集部ちなみに、この松島家のスポンサーについても、佐藤氏から松島家母のtwitterにDM(ダイレクトメール)を送ったことがきっかけだ。
「スポンサーしたいんですが、とメッセージをお送りしたところ、夫から連絡させますね、というお返事でした。何の面識もない人間からの突然の打診に怪しまれたのかもしれません(笑)」
写真:佐藤堅一氏(株式会社ハッピースマイル代表取締役社長)/撮影:槌谷昭人## YOYO TAKKYUの場合
卓球場YOYO TAKKYUは、なぜなのだろう。
「川口陽陽(YOYO TAKKYU代表)さんの息子さんの陽向くん(小学二年生)に、当社の卓球部員が中野区の大会で負けたことがきっかけですね(笑)」
え?
写真:川口陽向(YOYO TAKKYU)/撮影:ラリーズ編集部「名前を検索したら、U-7の日本代表候補にも入っていて。その大会の間、気になって見ていたんです。試合に負けた後、本当にずっと悔しがっていて。本人の中でも練習したという自負があるんだろうなと。頑張ってないと悔しくないですから。お父さんは廊下に連れて行って“対戦相手に挨拶に行きなさい”ってずっと諭してましたけど(笑)」。
会社の卓球部員は負けたけれど、応援したいと思ったという。
「あれくらいの年齢の子は遊びたいはずなんです。でも、きっとほぼ全ての時間を卓球に捧げている。もちろん親が用意した環境もあると思いますが、その本気さ、ストーリーを応援したいなと」
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