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【なぜ日本生命レッドエルフだけ勝てるのか/前編】村上恭和の監督論「チーム一丸の実際の作りかた」

監督の葛藤とは

——卓球は、根本は個人競技じゃないですか。個性ある選手と球団の間で板挟みになることもあると思うんです。村上監督には全く感じないんですが(笑)。 村上総監督:それは当然あるでしょう。 うちの場合は、担当コーチ制にしているから、担当コーチと選手がうまくいかないときだってある。僕は複数のコーチとミーティングで調整しながらやっていますけど、なかなかそのときの利害に合わないこともあるから、難しいときもありますよね。

みんな雇われた監督。全体は会社や球団オーナーが見ているわけやから、監督は自分の上の、球団社長や会社オーナーが何を求めているのか、先に理解してスタートしないと、目的とずれてくるよね。

とにかく勝てばいいんだと思って、それが間違っていることさえあるからね。

——なんか、ビジネスでも同じことが言える気がします…。 日本生命レッドエルフ
写真:日本生命レッドエルフは選手毎に担当コーチ制をとる/撮影:ラリーズ編集部村上総監督:でも、一番難しいのは選手ですわ(笑)。 ——村上監督でも、そうですか。 村上総監督:当たり前ですけど、選手は自分が一番だから。
Tリーグは、ほとんどの選手が最後の卓球人生に命を懸けているわけですよ。ここで終わらせたいという。結果的に移籍する人もいるけど、最初の気持ちは、ここで卓球人生終わるんだと思っている。だからこそ、自分がやりたいようにやりたいわけです。 チームのやりたいように従うわけじゃないんですわ。

監督は選手のその思いを汲んでやって、本人がやりたいようにやってるんだと思ってくれるように、チーム運営をやるということですね。各々、接し方は変わってくると思います。

——なぜ、村上監督だけそれができるんですか? 村上総監督:ま、それがキャリアやね(笑)。あとは、当然コーチやスタッフが多くいるので、これも力になってますね。 (後編につづく)

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