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卓球インタビュー [PR] 「今のラバーは本当に適正価格なのか?」ミズノ卓球事業の未来を賭けた“無理難題”への挑戦
2021.12.25 取材・文:山下大志(ラリーズ編集部)
「良いラバーとは何なのか?」。
ミズノの卓球事業担当者たちは悩んでいた。
総合スポーツメーカーとしてミズノは、ユーザーの声を聞き、ユーザーにとって良い物を作ることで、各スポーツ分野で多くの支持を獲得してきた。それは卓球部門も例外ではない。
各地の学校や卓球場に足を運び、ジュニア選手や草の根プレーヤーたちの生の声を聞いてきた。最近増え始めたのが「ラバーの価格が高い」と悩む声だ。
高いラバーだけが良い物なのだろうか。違う。
「一生懸命卓球をしている人たちが求めているのは勝てるラバー。それが安くて耐久性が良ければなおさらだ」。
ミズノは、その難しい課題に挑んだ。
>>ミズノ、挑戦の遺伝子#1はこちら なぜ“中学日本一”や“インハイ3位”の選手たちが卓球専門“ではない”メーカーと契約したのか
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- [8 関連特集・なぜ大島祐哉はミズノを選んだのか(2021年5月公開)]()
「今のラバーは適正価格なのか」
ラバーの多くはメーカー契約のトップ選手を想定して作られたものだ。勝つためにより良い性能を求め、研究開発を繰り返し、市場へと出てくる。そのため、適正価格が幾分か高くなる。ミズノでも大島祐哉(木下グループ)がフォア、バックともに使用する『Q5』は¥7,480(税込)の値が付けられている。
写真:全日本選手権での大島祐哉 フォア面にはミズノのQ5を使う/撮影:ラリーズ編集部だが、ラバーは消耗品だ。部活動などで真剣に取り組めば1ヶ月に1回ペースで貼り変えることになる。ジュニア選手や草の根プレーヤーの財布には大きな痛手となる。
ミズノは以前からラバーの価格には疑問を抱いていた。卓球用具開発担当の樋口直矢はこう語る。
写真:卓球用具開発担当の樋口直矢/提供:ミズノ「1ヶ月に1回程度貼り変える用具として、今のラバーが適正な価格なのかという思いは最初からありました。しかし、情けないかもしれないですけど、当時の我々ではユーザーに寄り添った価格は実現できませんでした」。
0からラバー開発スタートもノウハウを蓄積
ミズノが卓球ラバー市場に参入したのは2006年と、他の卓球専門メーカーから比べると歴史が浅い。なおかつ自社でのラバー開発を始めたのは2015年だ。研究開発や生産のノウハウもなく、0から手探りでのスタートだった。
写真:大島祐哉もミズノの開発したQ5を使う/撮影:田口沙織「自社でラバーを研究開発し始めたことで、高クオリティをキープしながらも、削ぎ落せる部分がどんどん見えてきました。詳しくは言えないのですが、ゴムの素材の配合や量産体制の見直しで徐々に理想に近づいて行きました」と樋口も手応えを口にする。
そうして生まれたのが2021年12月に発売された『Q QUALITY』だ。値段は¥5,830(税込)。求めやすい値段設定は、卓球ファンの間でもすでに話題となっている。
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