「足元に革命を」いま注目のダイヤル式シューズを支える「BOA®(ボア)」とは何なのか
巻きグセがつかなくなったシューレース
このテキスタイルレースには、超高分子量ポリエチレン繊維と呼ばれる素材が使用されている。軽量ながら強い引っ張り強度と柔軟性を持ちあわせ、パラシュートや登山、船舶用ロープなどにも使用されている素材だ。
ワイヤーと比較すると当たりが柔らかく、かつ巻きグセがほとんどつかず、大幅に緩めても絡みにくい。“シューレースについての故障の相談はほとんど無くなった”とBOA TECHNOLOGY JAPANのマーケティング担当者も実感する。
テキスタイル素材はとても柔らかいシューレースの変更に合わせて、ガイドの素材も樹脂からテキスタイルにすることで摩擦係数を減らすなど、細やかな工夫が施されている。
シューレースを通すガイドもテキスタイルになった## ダイヤルはカートリッジ方式に
BOAのあの象徴的なダイヤルやレースは、実は何度でも無料交換が可能である。
ただ、レアケースながらダイヤルの内部のマウント部(受け側)が破損してしまうと、ダイヤルとレースを交換しても完全に修理できないという事例があったという。
今回それを改善するために、ダイヤルもカートリッジ方式を採用している。
割れる可能性のあったマウント部の素材を、ポリカーボネイトからソフトナイロンにして割れなくなった。
ウェーブメダルBOAやウェーブメダルSP4に採用されているのはL6というロウカット用ダイヤルの第6世代となる。あのダイヤルもずっと改良が続けられている。
自分で交換する作業もより簡単に## 取材を終えて
技術の進化は本質的に不可逆なものだ。
ゴルフ、ロードレースなどのカテゴリーでは既に、紐のシューレース製品の方が少ないと聞く。
iPhoneやUberのように、そして卓球技術で言うならチキータやペン裏面のように、革命的な新技術が受け入れられるのは早い。
「フィットの再定義」を掲げ、最新設備の中でパフォーマンス向上のための技術開発を続けるBOA社の話を聞きながら思った。
数年後、ダイヤル式でない理由を探すほうが難しい時代が来るのかもしれない。
パフォーマンス向上のための先進技術が詰め込まれていた/撮影:槌谷昭人BOAフィットシステムに関する詳細は>>BOAFit.comへ
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