
【卓球】カットマンの時代到来か ホープスV平塚を例に
きつい練習をこなして強くなっていく
カットマンが勝っていく難しさはこういうところにある。
①技術が完成するまでに時間がかかる(短期間で結果は出にくい)
私(取材者)自身が小学生でカットマンになった時、コーチからは「人の3倍は練習が必要」と言われた。カットマンは他の選手より動く範囲が広く、フットワークが生命線になる。フットワーク練習は相当な量をこなさなければならないし、下半身を中心としたトレーニングも必要。さらに、動きながら回転をうまく操り、相手を翻弄しミスを誘う戦略とセンスも必要だ。こうしたことから、一般的に攻撃型の選手と比べると、技術の完成までに時間がかかると言われている。
②教えられる指導者が限られてくる
カットマンを育てられる指導者は、多いとは言えない。上述の通り、カットマンには専用の練習メニューが必要であり、特に、細かい足の運び方や、ボールタッチなど感覚的な部分の指導は、経験者でないと教えにくいからだ。指導者自らがカットマン経験者というパターンが多いが、そもそもカットマン人口が少ない分、教えられる人も限られている印象だ。
③本人の性格が影響する
技術の習得に時間がかかるので気が短いと向いているとは言えない。また、長時間の試合に耐えられる精神力も必要だ。とにかく「我慢強さ」が求められる戦型なのだ。しかし、これについては、カットマンになってから後天的に身につくこともあるのではと個人的には思う。
本人も指導者も覚悟と根気が必要であり、指導者は見極めが重要となってくる。
ハマれば可能性無限大
写真:平塚陽一郎さん(写真左)と平塚健友選手(写真右)
今年の男子ホープスで優勝した平塚健友(フェニックス卓球クラブ)は、試合後のインタビューで「カットマンになって勝てるようになった」と話す。
平塚は3歳で卓球をはじめたが、最初の1年半の間は、県大会で全く勝てなかった。そんな平塚のことを、父でありコーチの陽一郎さんは”おっとりした性格”だと教えてくれた。おとなしく勝負強い方ではない。でも勝たせたい。そんな思いで、カットマンとして育てることにした。
5歳でカットマンとしてのスタートを切った平塚。陽一郎さんの見極めは正しかった。
メキメキと力をつけ、1年半後には大会で初勝利。
その後、5回の全日本ホカバ出場。
最後の年で日本一に輝いた。
決勝戦のベンチでは、優勝が決まった瞬間、陽一郎さんの涙ぐむ姿も見られた。
「粘り強く戦うスタイルが、息子の性格には合っていたのだと思う」と話してくれた。
カットマンはハマれば勝っていける。長い目で見れば、大きく伸びる可能性がある戦型とも言える。
(次のページへ続く) 「守るだけじゃ勝てない令和のカットマン」
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