
はじめまして。
NPO法人日本卓球療法協会理事長の長渕晃二と申します。
私は長年、介護・福祉やまちづくりに携わってきましたが、そのいずれにも卓球が活きることはたくさんありました。
そこで本連載「スポーツを活かした民間資格づくり」では、わたしのこれまでの経験などを交えながら、スポーツを活かして民間資格をつくることについて全5回にわたって探っていきます。
第3回では、「商標登録や教材や広報について」というテーマでお話しさせていただきます。
>>シニア世代からの卓球入門 第1回:卓球のおもしろさと連載のねらい
商標登録や教材や広報

特許庁への申請
資格の名称を保護するためにも、特許庁に商標登録の申請をしておくことが必要です。
弁理士に依頼できる資金力が無い場合は、自ら特許庁に相談し、申請することになります。
私は卓球療法士で商標登録の申請をしましたが、その時に特許印紙なるものがあるのを初めて知り、それを販売するのが郵便局本局であり、地域の郵便局だと特許印紙のことを知らない職員もいるということでした。
初めての場合は戸惑うこともありますが、次からはそう難しくはないと思います。
テキストや動画づくり
資格のカリキュラムづくりは試行錯誤でした。
初めから完璧を求めず、まずはやってみないとわからないと感じています。
受講者の状況や感想、活動や動画教材の発展に応じて、徐々に改訂していきました。
テキストの内容は、
①メディアの記事や論文要旨の転載
②パワーポイントや書き下ろし文章や図表の作成
③インタビュー記事の作成
などで構成すると良いでしょう。
動画教材は、まずは遠方や多忙で招きにくい理事等の講義を作成し、次にテレビやSNSに出た動画を使用します。
講習によっては、インタビュー動画や実践・体験・研究発表の動画を加えても良いでしょう。
PRとメディア活用
PRは意外と口コミが重要です。
ただし、誘われて入った人の中には、あまり主体性がないかたもいるので、その後の活動につながらず退会していく人もいます。
法人関係者のみの講習・資格取得の場合、一度に入会者は増えますが、法人の経営状況によって、一斉に退会という場合は出てきます。異動や退職を機に活動から離れて退会となる人もいます。
会員の中にはメディア活用が上手な人、自らコミュニティFMの番組を担当し始める人、テレビ局に勤務する人、多くの視聴者を有するブロガーやYouTuber、著名人やその家族なども参加してくることがあるので、それらの方々を通じての広報も考えられます。
他にも、1つの新聞に載ることで、系列の新聞や、ネットニュースに転載されることもあるので、知らない間にPRされていることもあります。
教材の多言語化
日本は高齢化先進国であり、各種の対策の成功も失敗も、海外から注目される国とも言えます。
その好機を活かすためにも、海外向け教材も考え、可能なら世界展開していくと良いでしょう。
電子書籍や生成AI、その他により、海外向け教材は作りやすくなっています。
ホームページ掲載の動画には英語字幕をつけ、各国語版の簡易資料を作成しておくのも良いでしょう。
また、国際協会・学会などでのプレゼンもしていけると良いでしょう。
会員の拡大により、在日外国人、海外に人脈がある人も出てきますので、それらの方々のお力を借りて教材づくりをしていくと良いでしょう。
筆者プロフィール:長渕晃二(ながぶちこうじ)

NPO法人日本卓球療法協会理事長。NPO法人日本ピンポンパーキンソン理事。明治学院大学大学院修了(社会福祉学修士)。短大・専門学校での教員・卓球顧問や福祉施設での卓球経験あり。現在有料老人ホーム、デイサービス、介護予防サロン、メンタルクリニックで卓球療法を行う。著書は『コミュニティワーカー実践物語』(筒井書房)、『卓球療法士テキスト』『卓球療法入門』(サイドウェイズ)ほか。
Follow @ssn_supersports


