「サッカー日本代表」なぜ北中米W杯では「2チーム分の選手層」がより重要視されるのか?

中村敬斗(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

中村敬斗(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)
10月シリーズのブラジル代表に勝利し、11月シリーズのガーナ戦、ボリビア戦も完勝で2025年を締めくくった日本代表だが、最新の世界ランキングで順位を1つ上げ18位となり北中米W杯のポット2を確定させた。

いったいなぜ北中米W杯では「2チーム分の選手層」が重要となるのか?

森保監督はこれまで試合に出場するメンバーを固定化せず積極的にローテーションさせながら試合をこなしてきた。

これは欧州でプレーする選手たちのコンディションや疲労、怪我のリスク軽減といった意図もあるが、北中米W杯において最もベストな戦略が「厚い選手層で臨むこと」であると判断していたからだろう。

北中米W杯では、過去最大の参加国(48か国)となる。

4か国12グループに分かれ、各グループ上位2か国と各グループ3位の中で成績上位8か国が決勝トーナメントに進出することになる。

つまり、ポット2を確保した日本代表はこれまでの大会よりも決勝トーナメントに進める確率が高いわけだ。

しかし、決勝トーナメントといっても、過去の大会のように「ベスト16」とはならない。

参加国が増えたことで、決勝トーナメントは32か国が進出することになる。

もちろんグループステージも簡単には突破できないが、現実的な目標であるベスト8を達成させるためには決勝トーナメントで2回勝たなければならない。

決勝トーナメントは負けたら即大会終了となるため、心身の消耗具合はグループステージの比ではない。

もしも試合に出場する選手を何年も固定化してW杯に臨むならば、グループステージ突破の確率は上げられるが、ベスト8進出の可能性は逆に低くなってしまうだろう。

決勝トーナメントのラウンド32とラウンド16の2試合をハイレベルなローテーションで戦わなければベスト8に辿り着くのは難しいわけだが、現在の日本代表はそんな戦略をW杯本番で実行できるほどの選手層となっているのだ。

三笘薫や守田英正、伊藤洋輝、町田浩樹、冨安健洋、高井幸大といった選手たちが復帰すればより選手層は盤石なものとなる。

ベスト8はもちろん、それ以上の成績を期待してしまうほど今の日本代表は強い。

果たして日本代表は北中米W杯で過去最高の成績を収めることができるのか、注目だ。