アーセナル冨安健洋、日本代表で求められる「100%を出さない努力」
写真:冨安健洋(PA Images/アフロ)
週末に行われた各国のリーグ戦が終了し、インターナショナルマッチウィークに入った。
サッカー日本代表は10月13日にカナダ戦、17日にチュニジア戦を行う予定となっている。
マンチェスター・シティとの大一番で決勝点の基点となる活躍を見せたアーセナルの冨安健洋も当然ながら代表に招集されているが、気を付けなければならないのが「怪我」だ。
過去に度重なる怪我で長期離脱しているだけに、無理は禁物であるといえるだろう。
プレー時間は少なく疲労は溜まっていない
今季の冨安は、左SBの3番手争いとみられていたが、ユリエン・ティンバーが開幕戦で負傷しティアニーがレアル・ソシエダにレンタル移籍したこともあり2番手としてシーズン序盤戦を過ごしている。
1番手のジンチェンコもコンディションが万全とはいえないため、冨安は数試合に1試合ペースでスタメン起用されており、その他の試合も後半途中から出場する機会が多い。
しかし、トータルのプレー時間はさほど多くないため、日本代表の活動に参加したとしてもそれほどコンディション面でネガティブな影響は出ないだろう。
21日にアウェーのチェルシー戦、そして24日には同じくアウェーでCLのセビージャ戦があるため、カナダ戦とチュニジア戦のどちらもフル出場はさすがに厳しいが、トータル120分~130分程度であれば問題ないはずだ。
冨安が注意すべきはプレー時間ではなく100%を出さないこと
冨安の能力に疑問を持つ者はどこにもいない。
そう断言できるほどその実力とポテンシャルは他の選手よりも抜きんでている。
左右問わずDFラインのすべてのポジションをハイレベルにこなせる選手は、世界を見渡してもほとんど存在しない。
ポテンシャルの高さゆえに、FWでプレーさせたとしてもマンチェスター・シティ戦のように結果を出してしまいそうだ。
しかし、そんな日本サッカー史上最強のDFには大きなウィークポイントがある。
それは「怪我が多い」ということだ。
しかもこれまで負ってきた怪我はいずれも重症で、3~4ヶ月の長期離脱も珍しくない。
そのため、以前本人が口にしていた通り、「100%ではなく80%でプレーする感覚」が非常に重要となる。(決して手を抜くという意味ではない)
代表戦やインテンシティの高いプレミア、CLなどの試合では、必然的に全力でプレーしたくなるものだが、気持ちをうまくコントロールし、90分間安定してプレーできるように多少抑えながらプレーする感覚が必要だといえる。
もちろん、「ここは絶対に抑えなければ」といった場面では100%を出す必要があるが、その回数は極力抑えるべきだろう。
今回の10月シリーズに関しても100%を出さない意識で試合に臨み、無事にイングランドに戻らなければならない。
シーズン通して怪我なくプレーしアーセナルのタイトル獲得に貢献することこそ、今季の冨安がすべきことだといえるだろう。
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