CBとCFの質や前田の起用法、遠藤不在の影響など日本代表にとって課題の多いアメリカ遠征に

サッカー,長友佑都

写真:長友佑都(AP/アフロ)
9月10日、国際親善試合「アメリカ代表対日本代表」の一戦が行われ、2-0でアメリカ代表が勝利した。

大幅にスタメンを入れ替えて臨んだアメリカ戦は多くの課題が浮き彫りとなる試合となった。

3バックの質

今回のアメリカ遠征では、町田浩樹や伊藤洋輝、高井幸大、冨安健洋など多くのレギュラークラスのCBが負傷により未招集だった。

CBで唯一のレギュラークラスである板倉滉もメキシコ戦で足を痛めたため、アメリカ戦では関根大輝、荒木隼人、長友佑都(後半から瀬古歩夢)がプレーすることとなった。

結果的にはレギュラー組との実力差が明確だったといえるだろう。

対人の強さやビルドアップ力など、随所に物足りなさを感じた。

上田綺世に次ぐCFの物足りなさ

メキシコ戦で抜群の存在感を放った上田綺世と比べ、小川航基と町野修斗はポストプレーや前線での迫力など物足りなさを感じた。

W杯本大会で上田がコンディションを崩す可能性を考慮すれば、小川、町野共にさらなる成長が必須であるといえるだろう。

遠藤不在時の守備的ボランチ

今回のアメリカ遠征は中2日というスケジュールであったため、メキシコ戦にフル出場したキャプテンの遠藤航はアメリカ戦不出場となった。

代わりに守備的ボランチを務めたのは佐野海舟だったが、遠藤の代わりとしては物足りない内容となった。

佐野の持ち味は守備の予測や足を止めずに縦横無尽に動き回るスタミナ、デュエルの強さであり、アンカー的な役割の比率が高い守備的なボランチは合っていないように感じた。

佐野は遠藤と組むことで最も活きるタイプのボランチであり、起用法としてはもったいないといえる。

遠藤がW杯本大会で怪我やコンディション不良、累積警告などで出場できない試合は、田中碧や守田英正が重心を後ろにして佐野が中央で動き回れるようにした方が良いだろう。

前田大然の起用法

今回のアメリカ遠征で明確になったことの1つが、「前田大然のWB起用はリスクが高い」ということだろう。

自陣での守備機会の多いWBを前田が務める場合、失点のリスクが大きくなる。

三笘薫はブライトンでも日本代表でも経験してきているため、しっかりとした守備から攻撃という基本ができているが、前田はその点不十分だ。

前田を起用するならば4-2-3-1のWGやCF、3-4-2-1のシャドーといった起用法がベストとなるだろう。