
北中米W杯出場権獲得のサッカー日本代表に存在する2つの不安点
伊東純也(写真:長田洋平/アフロスポーツ)
3月20日、北中米W杯アジア最終予選第7節「日本代表対バーレーン代表」の一戦が行われ、2-0で日本代表が勝利した。
この結果日本代表はグループCの2位以上が確定し、北中米W杯の出場権を世界で最も早く獲得した。
8大会連続となる8度目のW杯出場が決まったわけだが、現実的な目標となる「W杯ベスト8以上」を実現するためにはいくつか不安点があるのも確かだ。
不安点①WBシステム
日本代表はアジア最終予選を「3-4-2-1」というフォーメーションで戦ってきた。
カタールW杯でも同じフォーメーションで戦っているが、「攻撃的な選手をWBに配置する」という特徴がある。
三笘薫や堂安律、伊東純也、中村敬斗らが現在では務めることが多い。
しかし、W杯でもドイツやスペインに押し込まれたように、WBシステムは強豪国相手では実質5バックのような状態となる。
この際に両WBが攻撃的な選手である場合、どうしても守備の強度が低くなる。
バーレーンとの試合では、両WBが上がりすぎて組み立てに支障が出たり、裏のスペースを使われたりなど弱点を露呈していたが、W杯本番ではまた違った問題点が出てくるはずだ。
そのため、守備的なWBの戦力の確立や、前後半でフォーメーション変更できるように「4-2-3-1」の熟成なども今後検討すべきだろう。
不安点②CBの選手層とクオリティ
バーレーン戦で左右のCBを務めた伊藤洋輝と瀬古歩夢は、正直なところ強豪国相手では厳しいと言わざるをえない。
伊藤に関しては得点の起点となる良いパスはあったものの、ボール扱いが不安定になる場面もあり、対人の強さといった点でも強豪クラブに所属している選手のオーラを放っていなかった。
瀬古に関しては全体的に力不足感が否めない。
実質板倉滉と負傷離脱中の町田浩樹の2人しか強豪国に太刀打ちできるCBがいないわけだ。
冨安健洋という圧倒的な実力を誇るディフェンスリーダーもいるが、大きな負傷を繰り返しており、今後も日本代表の戦力としてカウントするのは難しい。
そういった状況を踏まえれば、関根大輝や高井幸大といったCBでプレーできる伸び盛りの若手選手を残りのW杯最終予選やその後の強化試合でも積極的に起用し、戦力としていく必要があるといえるだろう。
関根と高井がCBの戦力として計算できるようになり、もし仮に冨安が良いコンディションでW杯本番に臨めるならば、CBのポジションは不安要素から除外できるはずだ。
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