
写真:フォルトゥナ・デュッセルドルフのホームスタジアム (Photo by taranchic)
9月2日、ドイツ2部デュッセルドルフがアウェイでハイデンハイムと対戦し、1-2で敗れた。
日本代表MFの田中碧(23)は、2試合連続でベンチスタートとなり、後半からの出場となった。
ライバル加入で2戦連続の先発落ち
(Photo by Steevy84)
デュッセルドルフは、今夏に元オランダ代表MFジョリット・ヘンドリクス(27)をフリートランスファーで獲得。
PSVのアカデミー出身で、守備的MFを本職としている。
左利きで時にセンターバックもこなすプレースタイルゆえに、守備への貢献度だけでなくビルドアップも貢献できる。
ヘンドリクスの加入で田中碧は大きく影響を受けた。
開幕戦から5試合連続でセンターハーフとしてフル出場してきたが、8月26日に行われたホーム戦ではヘンドリクスが先発し田中碧はベンチスタートとなったのだ。
結局その試合は終了まで出番なく、チームは4-0と大勝した。
そして今節。
ヘンドリクスが前節に引き続き先発出場し、田中碧は2試合連続となるベンチスタート。
後半からクリストファー・ペテルソン(27)との交代で出場するも、チームは後半42分に失点し1-2の敗戦となった。
後半頭から出場した田中碧はこの試合で目立った活躍はできず、序列は完全に下がったと判断できる。
しかし、ダニエル・ティウーヌ監督は新加入のヘンドリクスの出来に満足できていないコメントを残していることからも、まだチャンスはあると言えるだろう。
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目指すはフランクフルトの皇帝長谷部誠
(Photo by VectorFusionArt)
サイズ、テクニック、視野の広さ、そして体の強さなど、田中碧はレベルの高いボランチであることは間違いない。
ただし、かつて日本代表のキャプテンを務め、田中碧と似たようなMFであった長谷部誠の全盛期と比べれば、まだ物足りないと言わざるを得ない。
例えば8月5日に行われた第3節の試合では、0-1で負けている試合終盤、デュッセルドルフ陣内のタッチライン際で時間稼ぎをしようと体を入れてキープする相手への対応だ。
タッチラインギリギリでボールが止まり、オンプレイだったにもかかわらず田中碧はボールが出たと判断しプレーを止めてしまったのだ。
慌てて近くにいた味方が敵選手にプレッシャーを掛けマイボールにし、攻撃に転じたのだが、このプレーで5秒以上も失ってしまった。
たった5秒程度ではあるが、1点ビハインドの状況では1秒でも惜しいもの。
チームを鼓舞する意味でも、激しくプレッシャーを掛け1秒でも早くマイボールにする気迫が必要なのだ。
現時点でのMFとしての完成度は日本代表でもトップクラスの田中碧だが、今後は長谷部誠の様な周囲に影響を与えるような覇気を纏ったプレーをする必要があると言えるだろう。
日本代表でレギュラー争いをする鎌田は着実に結果を出している。
このまま鎌田にレギュラーを奪われてしまうのか。
今後の田中碧のプレーに注目だ。
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