
佐野海舟(写真:SportsPressJP/アフロ)
10月10日、国際親善試合「日本代表対パラグアイ代表」の一戦がパナソニックスタジアム吹田行われ、2-2の引き分けに終わった。
CFの小川航基と上田綺世が得点しインパクトを残したが、最も存在感が高かったのはボランチで出場した佐野海舟だろう。
遠藤航不在を感じさせないセンセーショナルな活躍をした佐野
昨季欧州初挑戦ながらブンデスリーガを代表するボランチと称される存在となった佐野は、日本代表でも常連メンバーという立ち位置を勝ち取った。
しかし、この10月シリーズ初戦のプレーが「圧巻」ともいえるレベルであったため、今後は守田英正や田中碧をベンチに追いやる主力という立ち位置となるかもしれない。
パラグアイ戦ではボランチのポジションで田中碧と組み、アンカーのような守備意識を高く持ったプレーはもちろん、ビルドアップの際の中盤におけるフィルター役やシャドーやWBの裏に抜けて攻撃参加する積極性も見せた。
何度もパスカットからのショートカウンターでチャンスを作り、小川航基の得点もアシストした。
自分たちが主導権を握り攻め込む展開であっても佐野は機能するが、最もその能力が輝くのは「強豪国との対戦時」だろう。
押し込まれたとしても抜群の読みでパスカットやプレスでボールを奪い、チャンスを作り出してしまう。
相手が前に人数をかけている分、DFの枚数が少なく大きなチャンスに繋がりやすい。
昨季レバークーゼンに所属していたヴィルツを完璧に抑えたように、個人能力が高く強豪国のエース級も苦にしない。
当たり負けせず無理な体勢でも足を伸ばしボール奪取できるため、相手からすると間違いなく「厄介なボランチ」となる。
遠藤航はどちらかというと相手のアクションに対して身体を入れて奪い取るリアクションタイプだが、佐野の場合は自分からアクションを起こして奪うことも相手のアクションに対してリアクションでもボールが奪える。
豊富な運動量で広いエリアをカバーできるといった点も素晴らしいポイントだ。
デュエルの強さが特徴だが、実はボール扱いもかなり上手い。
攻撃的MFレベルのテクニックとWG並みのドリブル能力も持ち合わせているため、まさに「パーフェクトな能力を持ったMF」だといえるだろう。
北中米W杯までの期間でさらに経験値を高められれば、最も欠かせない選手の1人となる可能性もある。
日本代表は10月14日にブラジル代表と対戦する。
負傷者が多くベストメンバーには程遠いため押し込まれる展開が続くことが予想されるが、だからこそパラグアイ戦以上の存在感を放つ佐野が見られるかもしれない。
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