松木玖生はパリ五輪を機に羽ばたくか、それとも埋もれるか。勝負の1ヶ月が始まる
松木玖生(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)
いよいよパリオリンピック男子サッカー日本代表のメンバー発表が近づいてきた。
7月3日14時に『JFATV』のライブ配信でメンバー発表が行われる予定となっているが、どんな選手が選出されるかはもちろん、オーバーエイジの選手が含まれるのかといった点も注目される。
今回は有望な23歳以下の選手の中から、松木玖生をピックアップし、現在の立ち位置とパリオリンピックがもたらす影響を解説していこう。
FC東京では主力としてプレーも伸び悩む松木
青森山田から鳴り物入りでJ1のFC東京に入団し1年目からスタメンを勝ち取った松木は、今季3人体制のキャプテンのうちの1人を任されるまでに成長している。
プレー面でも、守備と攻撃をつなぐ役割はもちろん、チャンスメイクの面でも任されるタスクが多くなっており、もはやJ屈指のMFと言っても過言ではないだろう。
しかし、それでも物足りなさを感じているファンが多いのも事実だ。
身体の強さや精神的な強さ、縦への推進力、展開力など、そのポテンシャルは非常に高く、すでに欧州クラブに移籍していてもおかしくない逸材ゆえに、Jリーグでプレーしている現状はファンにとっては物足りなく映る。
松木のプレーの質の面でも、若干の物足りなさがある。
トータルの能力で言えば間違いなくJリーグでも屈指だが、得点やアシストといった「数字」は残せていない。
今季はトップ下を任される機会も増えたため、得点やアシストを着実に積み重ねなければならいのだが、21試合で2得点4アシストとそれほど数字を残せていないのだ。
パリオリンピックで結果を出せば一気に羽ばたけるが・・・
オーバーエイジの選手を招集する可能性がゼロに近づいたことは、松木にとってはポジティブな状況だといえる。
遠藤航や守田英正といったA代表の選手がオーバーエイジとして参加すれば、松木はベンチ要員となる可能性が高いからだ。
オーバーエイジがゼロとなれば、松木はレギュラーとしてパリオリンピックでプレーするチャンスが大きくなる。
もちろん、荒木や山本といったライバルたちもいるため、オリンピックメンバーに選ばれたとしてもレギュラーとしてプレーできる保証はない。
しかし、もしも主力としてオリンピックで結果を残せば、大きなアピールとなり欧州クラブへの移籍を実現させることも可能となるだろう。
さらに、北中米ワールドカップを目指す日本代表へ選出される可能性も出てくるはずだ。
遠藤や守田だけでなく、ボランチには田中碧や旗手怜央という実力者がおり、鹿島アントラーズの佐野海舟も今夏欧州へと旅立つ可能性が高い。
そういった意味では、JリーグでプレーしていてはA代表に割って入るのは不可能に近い。
果たして松木は明日発表されるオリンピック代表メンバーに選出されるのか。
そして選出されたならば、オリンピックで結果を残し欧州クラブへの移籍やA代表選出へと繋げていくことができるのか。
自身のキャリアにとって非常に重要な1ヶ月間で松木がどのような結果を残すのか、注目しよう。
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