
写真:久保建英(Jose Breton/Pics Action/NurPhoto via Getty Images)
サッカー日本代表は、9月27日にエクアドル代表と国際親善試合を行う。
欧州遠征2戦目でどのような試合をするのかに注目が集まるが、その試合内容と結果次第で森保監督がカタールW杯をどのようなメンバーで戦うかが見えてくるはずだ。
最も注目されるのは、レアル・ソシエダ所属の久保建英を鎌田、伊東と共に攻撃の柱として考えているのかということだろう。
知名度抜群の久保建英を先発で起用することで得られるメリット
久保が実力のあるサッカー選手であることは誰の目にも明らかであり、純粋な実力だけを見ても日本代表の先発に名を連ねる資格がある。
しかし、現在の日本代表の2列目には、鎌田、伊東をはじめ、三苫や堂安、南野といったクオリティの高い選手が揃っている。
実力としても久保と遜色ないレベルの選手たちばかりだ。
それでも、森保監督は9月23日に行われたアメリカ戦を見たことで、久保をW杯初戦のドイツ戦に先発で送り出す気持ちになってきているのではないだろうか。
なぜならば、世界的にも知名度の高い久保を先発で起用することが、チームに多くのメリットをもたらすからだ。
相手からのマークが分散する
9月23日のアメリカ戦では、久保がボールを持った際のアメリカのプレスが非常に激しかった印象を持った。
SBとして久保と対峙したアメリカ代表のセルジーニョ・デストも、バルセロナ所属でACミランにレンタル移籍をしている立場ゆえに、久保の存在はもちろん知っているはずで、フリーにしては危険な相手であると認識していたはずだ。
久保はラ・リーガの強豪レアル・ソシエダでレギュラークラスとして活躍する選手ゆえに、W杯初戦で対戦するドイツ代表も確実に要注意と判断するだろう。
しかし、日本のストロングポイントは、どちらかと言えば久保の上手さだけでなく、連動した守備と中央の鎌田、右の伊東の個の強さだ。
久保が左サイドにいることで、「鎌田と伊東だけを注意すれば良い」とはならず、マークが分散するというメリットが得られるのだ。
チームとしての格が上がる
W杯の様な大きな大会では、やはり世界的な選手が多く所属しているチームが強さを発揮する傾向にある。
すべてのサッカー選手の夢の舞台であるW杯では、並の選手は緊張から浮き足立ってしまう。
対戦相手に名のある選手が多ければ、その緊張度合いはさらに高くなるだろう。
その逆に、対戦相手の先発メンバーに名のある選手がいなければ、精神的なプレッシャーはいくらか少なくなるものだ。
そういった意味でも、世界的な知名度が日本代表の中でもトップクラスの久保を先発で使うことがメリットとなるはずだ。
三苫をジョーカーとして使えるというメリット
日本のストロングポイントは、中央の鎌田、右の伊東の個の強さだと言ったが、日本代表にはもう1人世界の強豪を脅かすことができる選手がいる。
それが「三苫薫」だ。
圧倒的なドリブルスキルと高い決定力は、必ずドイツやスペイン相手に必要となる。
久保を先発で使うことでマークが分散し拮抗した試合が作れ、後半の途中でスペースができてきたタイミングで三苫をジョーカーとして投入できることも、久保を先発で使うメリットであると言えるだろう。
欧州遠征第2戦のエクアドル戦が終わった時、はたして森保監督の頭の中の左サイドは誰がファーストチョイスになっているのだろうか。
Follow @ssn_supersports