久保建英の適性は外に張るWGか、それとも流動的に動き中央にも顔を出すWGか

久保建英(写真:Ricardo Larreina/アフロ)

久保建英(写真:Ricardo Larreina/アフロ)
9月24日、ラ・リーガ第6節「レアル・ソシエダ対マジョルカ」の一戦が行われ、1-0でレアル・ソシエダが勝利した。

ソシエダは6節にしてようやく今季初勝利となった。

日本代表MF久保建英は右WGでスタメン出場し、85分までプレー。

決勝点となったオヤルサバルの得点を演出するなど存在感を示した。

久保が輝けるスタイルは外張りWGか、それとも流動的なWGか

マジョルカ戦で右のWGとして出場した久保は、前半に関しては外に張ってプレーする機会が多かった。

マジョルカ側はWBやボランチの2人でマークし、久保を徹底的にケアする。

その分逆サイドのバレネチェア側は優位にプレーできたが、ソシエダは得点を奪えずに前半を終えた。

後半になると久保は前半よりも中央に寄るプレーが増えた。

オヤルサバルの得点シーンもクボが中央に寄ってパサーとして機能したことで生まれたものだ。

サイドで張ることで相手チームの守備網に穴を見出すことはでき、ブライス・メンデスやカルロス・ソレール、逆サイドのバレネチェアが動きやすくなるが、その分久保自身のシュートチャンスは必然的に少なくなってしまう。

動きやすくなった味方選手たちが相手守備陣を切り裂くことで久保のマークが徐々に緩まり個人としてのチャンスが増えればベストだが、昨季やこの試合の前半も同様でそうした状態にはできていない。

つまり、外に張る時間が多ければ久保には得点やアシストに絡む回数が極めて少なくなるということだ。

マジョルカ戦の後半のように外に張るだけでなく中に絞ってプレーする機会を増やすことで、得点やアシストといった結果が出しやすくなるはずだ。

中に絞ることで右SBのアランブルもオーバーラップしやすくなるため、より攻撃に厚みが出るというメリットもある。

もちろん常時中に絞り気味なプレーをするのはチーム戦術としてNGだが、流動的かつ臨機応変に中に絞るプレーを増やせれば、ソシエダとしても久保個人としてもポジティブな状況になるのではないか。

日本代表でハイレベルにシャドーをこなしている久保ゆえに、外に張るWGというスタイルではなく中央にも顔を出すWGというスタイルが最も適しているといえるだろう。

相変わらずCBのスベルディアが不安定であり、連勝街道とはいかないはずだが、ブライス・メンデスとカルロス・ソレールの相性の良さと久保、バレネチェア、オヤルサバルの安定感ある3枚が毎試合出場できれば、中位にまで順位を上げることができるはずだ。

第7節はアウェーのバルセロナ戦であるため難しい試合となるが、マジョルカ戦の後半のような戦い方であればチャンスはあるだろう。