
久保建英(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)
移籍という選択肢が濃厚とみられていた日本代表MFの久保建英(レアル・ソシエダ)と三笘薫(ブライトン)だったが、一転してチームに残留する可能性が高まっている。
久保に関しては昨季の数字面に対して違約金に設定された6000万ユーロ(約100億円)が高額に感じることや半額が前所属先であるレアル・マドリードに配分されることから、ソシエダ側も慎重な構えをみせ興味を示すクラブはあれど交渉が本格化していない。
三笘に関してもバイエルンといったビッグクラブが強い興味を示したものの、リバプールのルイス・ディアスの獲得を目指すバイエルンが手を引き、他のビッグクラブも本格的な交渉にまでは発展しない可能性が高い。
日本代表のエース2人がチームへの残留の可能性が大きくなったわけだが、これは彼ら(そして日本代表)にいくつかのメリットとデメリットを及ぼすことになるだろう。
メリットは出場機会の確保とキャプテンシーのUP
まずはチームに残留することによるメリットを挙げていこう。
レアル・ソシエダはチームの要であるスビメンディのアーセナル移籍がほぼ決定しており、これにより久保のチーム内序列は高まる。
おそらくチーム内ではオヤルサバルとGKのレミーロに次ぐ精神的支柱になったといえるだろう。
三笘もジョアン・ペドロのチェルシー移籍が決まり、チーム内では攻撃陣においてウェルベックに次ぐ精神的支柱になったと言っても過言ではない。
当然ながら両者とも年間を通して安定した出場機会が望めるためコンディション的にも万全な状態で北中米W杯に臨めるはずだ。
また、チームを勝たせるために味方を鼓舞するような立ち回りが求められるようになるため必然的にキャプテンシーがUPすることになる。
これは日本代表にもポジティブな影響を与えるはずだ。
デメリットは選手としての「格」が上がらないこととCLが経験できないこと
残留することで安定を手にすることができる一方で、ビッグクラブ所属選手という「格(箔)」が手に入れられないことと、CLへの出場ができないことという2つのデメリットを負うことになる。
北中米W杯で優勝を目指すような強豪国と対戦することになった際、ビッグクラブ所属選手が1人でも多い方が格下感が薄まる。
これは実際に対戦することになった際にかなり重要なポイントの1つとなる。
移籍をせずに所属先がレアル・ソシエダとブライトンならば、選手としての格がビッグクラブ所属よりも低くなるため、相手にかけられる精神的プレッシャーは少なくなるだろう。
また、世界最高峰の戦いが繰り広げられるCLに出場できないというのもデメリットとなる。
両者とも新シーズンは欧州コンペティションに参加しないため、最高峰の経験がそれほど積めないというのは大きなデメリットだといえる。
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