
3月21日、名古屋オーシャンズは第31回全日本フットサル選手権大会の準決勝でバルドラール浦安に敗戦。両チーム合計11点が入る乱打戦の末、5ー6で敗れ大会を後にした。
シーズン限りでの引退を発表していた吉川智貴にとって、図らずもこの一戦が現役ラストマッチとなった。試合後の取材エリアには「最後なんで何でも聞いてください。もう(ピッチに)立つことないんで(笑)」と笑みを浮かべながら現れたものの、その表情はどこかさびしさを感じさせるものだった。
それから約10日後の4月1日、日本サッカー協会のフットサルナショナルチームダイレクター就任が発表された。稀代のプレーヤーとしてキャリアに幕を閉じたレジェンドは、日本フットサルの未来を担う要職で新たな道を歩む。
吉川は現役最後の試合を終えた直後、どんな言葉を残したのか。
取材=溝口優輝
※取材は3月21日に実施
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正直終わってホッとしてる自分もいる
──まずは試合を振り返っていかがでしょうか?
常に先行される苦しい試合でしたけど、1点ずつ追いついて勝ち越すことができたんですけど、それを、そうですね、守りきれなかったこともそうですし、あそこでまた失点されちゃったところは、やっぱり……。そこで流れが一気に向こうにいってしまったかなと思います。
──1点差での敗戦でしたが、試合終了の瞬間はどういう気持ちでしたか?
それはやっぱり悔しかったですよね。最後にもう1試合やりたかったですし、負けたな、終わったなと。
──Fリーグで優勝して、自身の最後の舞台として全日本選手権のピッチに立つ思いはどんなものでしたか?
思いというのは、正直あんまり変わらなくて……。試合に入る前は、最後だから楽しもうと思っていても、やっぱり試合に入ったら楽しんでいる自分は一切いなくて。だからいつも通り試合して、いつも通り終わったなという感じですね。悔しさは残りましたけど、まあそういう運命だったんだな、と。それだけですね。
──サポーターから『偉大な背中を忘れない』という横断幕も出ていました。名古屋オーシャンズというクラブについて思うことはありましたか?
(横断幕を見た時が)一番悔しかったし、さびしさが出ました。もうこのピッチに戻ってくることはないんだなと改めて感じました。さびしさが一番出た瞬間だったと思います。自分は、名古屋サテライト出身ではなく、生え抜きということではないですが、このチームが本当に好きです。常にチームの勝利のことを考えてプレーしてきました。最後までこのクラブでプレーできたことは本当に幸せだったなと思っています。
──引退するという実感はありますか?
実感ですか。そうですね。 まあ、ありますかね。 けど、うーん…… 実感はありますけど、よくわからないですね。 正直、終わってホッとしている自分もいるんですよね。 言ったらダメかもしれないですけど(笑)。さびしい気持ちもありますけど、やっと終われるわという、そういう自分がいることも正直な気持ちです。
──すごくスッキリとした表情にも見えます。
負けてこういう気持ちになれるまで、(長年プレー)できたことが、本当に幸せだったなと思いますし、選手としてやり残したことは本当にないと感じています。こういう感じ方をして、このチームでやれる選手は本当にいないと思うので、そういう意味でも幸せだなと。
──名古屋のみならず、日本フットサルにとっても後身に残していきたいことはありますか?
なんでしょう……習慣ですかね。習慣が一番大事ですよ。努力とかじゃないですね。習慣です。それが一番大事で、一番違いを生み出せることかなって、このフットサル人生でやっぱり学びましたね。習慣づけるために努力することは大事じゃないですか。だけど、習慣にする努力をしているうちは習慣ではないと思うので、習慣にしちゃうってことが一番大事かなって思います。
──日々の当たり前に落とし込む感じですか?
そうですね。やっぱりピッチでは日常が出ますし、最終的には日々起こっていること、日々自分がやっていることは、やっぱり自分に返ってくると思います。
──人生においてフットサル選手としての期間は、どのような意味をもちますか?
『人生=フットサル』みたいな感じなので、本当に。だからどうでしょうね。現時点ではちょっとわからないですね。けど、本当にこのスポーツに出会えて幸せだったなと思います。このスポーツがもっと発展していかなきゃいけないとも思っています。
フットサルは、こんな感じで終わるスポーツだとは思っていません。もっと盛り上がってほしい。それほど、フットサルのことが好きですね。
第31回全日本フットサル選手権大会
<日時>3月14日(土)〜22日(日)
■試合結果<決勝>
<会場>駒沢オリンピック公園総合運動場 体育館
<決勝>3月22日(日)
13:00 バルドラール浦安 2(PK3-4)2 ペスカドーラ町田
■表彰
<優勝>ペスカドーラ町田
<準優勝>バルドラール浦安
<3位>名古屋オーシャンズ、湘南ベルマーレ
<フェアプレー賞>ペスカドーラ町田
<MVP>ビゴージ(ペスカドーラ町田)
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