
【トレーニングマッチ】日本女子代表 5-1 フィリピン女子代表(日本時間9月26日/高円宮記念JFA夢フィールド)
日本時間9月26日、国内トレーニングキャンプ中のフットサル日本女子代表は、高円宮記念JFA夢フィールドでフットサルフィリピン女子代表とトレーニングマッチで対戦。日本は5-1で勝利を収めた。
11月21日から12月7日に開催されるFIFAフットサル女子ワールドカップ フィリピン2025まで2カ月と迫るなか、残りわずかな活動のなかで代表チームはどのようなプランで強化を図り、本大会に臨んでいくのか。
フィリピンとの第一戦後、須賀雄大監督に今回のメンバー選考やトレーニングマッチの狙いを聞いた。
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世界を見据えて戦った
──ワールドカップが2カ月と迫ったなかで迎えた今回のトレーニングキャンプの狙いは?
(5月に初優勝を果たした)アジアカップ以来の活動ということで、期間が空きましたが、(11月末に開幕する)W杯に向けて、この代表チームのスピリットや戦術などをリマインドする機会だと思っています。加えて、今回は19名の選手を招集していますが、W杯に参加する14名を選考する競争の場でもあります。
──そうした目的のなかで戦った今日のフィリピン代表とのトレーニングマッチは、あらゆるメンバーを組み替えながら戦っていました。どのような狙いだったのでしょうか?
やはり競争の部分では、アジアカップを勝ち抜いた選手はそれだけ連係も高いですし、自分たちのプレーモデルを理解していることは間違いありません。それを大事にすることもありますが、逆に新しい組み合わせや新しい代表の武器をしっかりと確認するためにも、今日のゲームはアジアカップと異なるセットを多くピッチに送りました。
──昨日までの2日間でも多くの組み合わせを試していました。実際にゲームで見えてきた手応えは?
まずはみんな素晴らしいプレーをしてくれたと思っています。もちろん、ディテールで修正しないといけないことはありますけど、あらゆる面でストレスがかかる国際試合を勝ち切るのは簡単なことではないので、非常に満足しています。
加えて、自分たちはアジアの舞台ではなく世界の舞台を目指して戦っていくので、当然、フィリピンのレベル感のチームに勝ち切ることも大事ですが、やはり、ポルトガルやスペイン、ブラジルという世界の強国を相手に勝ち星を挙げていく観点も持ち合わせている必要があります。
その意味では、このトレーニングマッチに勝つことだけではなく、たとえば守備では、より相手に近いタイトな位置でアグレッシブに寄せる意識をもつことや、フィクソの選手がピヴォに対してボールを奪う意識を高めることなどです。もしかしたら、この試合だけで言えばそのプレーは必要なくても、世界を見据えてやっていました。
──江川選手のみベンチに座ったまま出場がありませんでした。コンディション調整でしょうか?
そうですね。ご存知のとおり江川(涼)はアジアカップで怪我をしてしまいました。この代表チームをリードしてきた選手の一人でもありますけど、コンディションをにらみながら、いかに今、彼女にとっていいこと、代表チームにとっていいことは何かを考えた上で、この試合はスキップしました。
──アジアカップを戦ったメンバーが軸になると思いますが、アップデートしていく意味では、新しく入ってくるメンバーにどんなことを求めていますか? 今日は、松木里緒選手や伊藤沙世選手がゴールを決めたように、明確な結果も大事になるのではないでしょうか。
基本的にはアジアカップを戦ったメンバーに対してすごくリスペクトしています。やはり、アジアカップ初優勝という歴史を切り拓いただけではなく、W杯の出場権をつかむという、本当にタフな作業をチーム一丸となって成し遂げてくれました。それは本当に、自分だけではなく、スタッフも、日本サッカー協会としても、彼女たちを誇りに思っています。
そして新しい段階として、世界と戦うということは、またアジアとは異なるフィジカルなどもあります。そうした相手に戦いを挑んで、確実に自分たちが勝つための準備をしなければいけません。その意味では、これまで積み重ねてきた連係なども大事ですが、それだけではなく、よりシンプルに対人でどれだけ勝てるかなども大事になってきます。あらゆる戦い方を想定したシチュエーションのなかで14人を選んでいく必要があります。
この試合で活躍することももちろん大前提ですが、そこでのクオリティや、それぞれがもっている役割、ストロングポイントをきちんと発揮していく。横の選手と争うのではなく、自分自身がここに呼ばれている意味をしっかりと理解した上で、とにかくそれを100%発揮していくことが今回の一番大事なことだと思っていますし、そうした話を選手にも伝えています。
──江口未珂選手をピヴォで起用していたことや、フィクソとして招集されている伊藤沙世選手、原川菜々子選手を同時にピッチに立たせる組み合わせなどもありました。どのような意図がありますか?
江口はもともと、ポジションも(すべてをこなす)「ユニバーサル」ということで、最近はフィクソが多かったですけど、彼女のアグレッシブさをより出してもらうために、ピヴォやアラでのプレーも期待していました。今日はその期待通りのプレーをしてくれたのではないかと思っています。アジアカップでも江川が怪我をして、ピヴォ(の筏井りさと岩崎裕加)が2人で交代しながら、フィジカル的にもかなりタフになる時間帯がありましたし、そういったことを考えても、彼女がピヴォもできることは、チームにとって間違いなく必要なオプションになると思っています。
伊藤も原川も、リーグで非常に素晴らしいプレーをしているなかでの招集でしたし、それぞれを同時起用した時もスムーズにプレーしてくれていました。2人とも去年の年末のキャンプにも呼ばれていました。伊藤については怪我で離脱してしまった苦しい時期があったなかでも、常に気持ちを代表においていてくれていたことを今回のプレーで確信しています。それは初招集の中村(みづき)も尾田(緩奈)にしても同じことが言えると思います。
もちろん、アジアカップ直前で(負傷により)離脱してしまった松木(里緒)も、(トレーニングパートナーとして国内のみの帯同だった)中田(凪咲)も、全員がアジアカップを見ながらここに選ばれてくるための準備を確実にしてくれていたという手ごたえを感じています。
そうした彼女たちの準備や日本代表への想いが非常にいい競争、いい団結をつくっていると思っています。
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