
“名古屋のあんちゃん”として、安藤良平が投げかける最後の問い「誰かに何かを言われないと変われないのか」【全日本選手権 準決勝|インタビュー/名古屋】
3月21日、駒沢オリンピック公園総合運動場 屋内球技場でJFA 第30回全日本フットサル選手権大会の準決勝が行われ、しながわシティと名古屋オーシャンズが対戦。名古屋は2-4で敗戦した。
今大会を終え、9年にわたってプレーしてきたベテラン・安藤良平が、名古屋からの退団することが決まった。
そして、3月25日には古巣である湘南ベルマーレへの復帰が発表された。
安藤が“絶対王者”の一員となったのは、2016-2017シーズン。
今シーズン同様にリーグと全日本選手権の2つのタイトルを落とすという経験を、加入1年目から味わうこととなった。
「この名古屋で、もう二度と同じことを繰り返してはいけない」
その強い思いを胸に、1日1日を大切に、できることに全力で取り組んできた。
それは、主力として戦ってきたこれまでも、ベンチを温める時間が続いた今シーズンも変わらない。「だからこそ、37歳まで現役を続けられている」と安藤は断言する。
「最後は笑顔で終わりたかったんですけどね」
長年、チームをけん引してきた“あんちゃん”が、名古屋の選手として受ける最後の取材で、胸の内を語った。
取材:青木ひかる、福田悠
文:青木ひかる
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「自分たちの実力不足」としか言いようがない
──お疲れ様です。まず試合を終えて、今の気持ちを教えてください。
今シーズンを象徴するようなひどい試合でした。
みんな頑張ってはいたと思うんですが、それが一つの方向に揃っていなければ、勝つことはできません。相手の方が勝つことに集中して、一つのチームとしてやるべきことをやっていました。
あとは、今シーズン一度もしながわに勝っていないというのは、単純に実力に差があるからです。負けたのは、自分たちの実力不足ですとしか、言いようがないかなと思います。
──ファイナルシーズンでも、よくない試合は序盤に複数失点を重ねて、そこから盛り返すことができずにいました。そして、残念ながら今日も、開始5分で2失点するゲームになってしまいました。
試合前からこちらが圧倒するような空気感を作れていないのは、失点があるかないかだけでシーズンを通じてずっと変わらなかったように思います。
それに加えて、今日に関しては試合の入りも悪く立ち上がりで先制をされてしまった。さらにそこから追加点を決められて、そこで沈んでしまったのは、ベンチで見ていても感じていました。まだ試合序盤で取り返す時間はたくさんあったのに、そういう雰囲気をつくることができないことも、ファイナルシーズンの時と同じ。結局1年を通して繰り返してきたことが、今日も起きたなという印象です。
──昨シーズンまでの名古屋は序盤が悪かったり先に失点してしまったとしても、「取り返す」力があった。それが出なくなってしまったのは、なぜなのでしょうか。
うん……。難しいですね。いろんな要因はありますが、カップ戦は得失点差も勝ち点も関係なく、自分たちが1点上回ってれば勝てば上にあがれて、自分たちが勝ち続ければ優勝がある。結局どんな理由があれ、勝つことにだけ集中して、取り組めていたかどうかなんではないかな、と。なので最初に言った通り、チーム力も含めて、「実力不足だった」に尽きるように思います。
──勝つことよりも、新しい戦い方に気を引かれたり、こだわりすぎてしまった?
戦い方の部分は、同じ監督の下でずっとやることなんて、選手キャリアが長くなればなるほどあり得ないじゃないですか。だから、そこで大きく自分のパフォーマンスやモチベーションが浮き沈みしてしまうようであれば、ずっと選手でいることはできないよね、ということが一つ。
だから戦術うんぬんより、まずアスリートとしてのベースとなる部分がチームに足りていないということに目を向けないといけない。一人ひとりが本当にこの状況をどう受け止めてるかで、名古屋の未来が大きく変わっていくんじゃないのかなと思います。
個人としてはぶれずに1年を過ごせた
──「アスリートとしてのベースが足りない」。その現実と向き合って、どんなアプローチをしてきたのでしょうか。
僕はもともとあまり伝えることが上手くないですし、まずは僕自身のやるべきことをぶらさずに、自分が成長することは見失わずにやろう思っていました。なので、チームとしての結果はひどいシーズンでしたけど、個人としてはぶれずに1年を過ごせたし、自分のために精一杯の努力をしてきたと自信をもって言えます。
それを貫くことは、僕自身がただただ成長したいという意欲が一番でしたけど、もちろん、周りにもいい影響を及ぼしていければいいなとは思っていました。でも、今このようになってしまっている。
だから、自分のやってきた取り組みに自信を持ってやってはいましたけど、それがチームにいい影響を与えられなかったので、結局最後はやってきたことを否定しなくちゃいけないのが苦しいですね。
──背中で語るという印象もありつつ、昔の安藤選手だったらもっと若手や中堅にも、激しく要求していたのでは?
うーん……。年をとって、丸くなっちゃたんですかね(苦笑)。でも……。もう、僕たちの言葉で意識を変えるとか、危機感を抱くというタイミングは、もう超えちゃったのかなというのが、本音としてはありますね。
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